百九十話 AEOで一気通関
大阪の通関業界では老舗の近畿通関㈱さんがAEOを取得されました。ISOは普及して、誰もがよく知っている制度となりましたが、AEOはまだほとんど知られていないでしょう。AEOとはAutohorized Economic Operator 認定事業者の略で、セキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された貿易関連事業者を税関が認定し、通関を円滑にする制度のことだそうです。
つまり、輸出入の経験がある方ならご存知でしょうが、通関はチェックが厄介で、些細なことで税関を通すのに何日も掛かったりすることがあるのです。それをAEO取得の通関業者が行うと税関が簡略化されます。しかも 、相 手国の通関業者もAEOを持っていれば、よりスムーズに流れることになります。さらに、通関業者に持ち込む商社、そのもとのメーカー、相手国の商社、その先の販社等がAEOを取っていれば、とんとん拍子に、より簡素にスピーディに品物が流れるという訳です。
近畿通関㈱さんでAEOの取得は、大阪税関管轄の通関業が220社ある中の8番目、全国850社のうちで53番目だそうです。なかなかの希少価値ですから、当面は大いに差別化がはかれそうです。でも、税関ももう少し制度の知名度を上げる努力をして欲しいものですね。「AEOで一気通関」なんて、キャッチコピーはどうでしょうか。
5日の夜に大手町で明日香出版社の著者大会がありました。パネル・トークで㈱トーハンから「e-hon」というビジネスモデルの紹介がありました。ネットや携帯で本を注文するしくみなのですが、アマゾンなどと違うところは、自分の「マイ書店」を設定することで、受取りを街 の本屋さんに指定したりでき、宅配にするしても本屋さんに手数料 が入ることです。街の本屋さんがどんどん廃業に追い込まれる中、嬉しいビジネスモデルですね。街の本屋さんの機能を高めることに大賛成です。是非、応援したいものです。
それにしても、著者の先生方に聞いても、著者大会などを催すのは明日香さんくらいなものだそうです。著者あっての出版社という立ち位置を代が変わっても続けてられるのはさすがですね。厳しい業界の状況にあっても中堅でまだまだ元気なのは偶然ではないということですね。
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