二百話 「日本になれるものならなりたい」
もとトレーダーで金融コンサルタントの岩本沙弓さんの著書「世界のお金は日本を目指す」(徳間書店)に、アイルランドのジャーナリストがNYタイムズに載せた、日本がこの20年間に変化したことについての記事を紹介しています。要約すると、次のようなことです。
1)平均寿命が4.2年伸びた、2)ネットの回線速度の世界最速都市トップ50のうち、38 都市が日本で米国はたった3つ、3)89年末時点に比べて円は米ドルに対して87%、ポンドでは94%も価値を高めた、4)日本の失業率は米国の半分、5)500フィート以上の高層ビルが東京で81棟建設された。NYで64棟、シカゴ43棟、ロスで7棟、6)経常黒字は3倍、敗者になるといわれた対中輸出は14倍以上、7)その他、整備が行き届いた空港、小奇麗な服装、最新鋭高級外車が街を走り、至れり尽くせりのペットが歩き、ミシュランの最高ランク獲得店が16もあり(本場フランスは10店)、医療制度は充実している。
加えて、ノーベル賞学者で日本バッシングの急先鋒だったP.クルーグマンですら、最近では「『日本のように我々もなってしまうのか』と尋ねられたら、『なれるものならなりたい』と答えている」と、コメントしていると。
岩本沙弓さんはそう言っていますが、しかし、どうもわれわれにはその実感がもう一つありません。どうやらそのあたりが、日本の課題のように思われます。実感できないのは、政治が悪いのか、官僚が悪いのか、社会のしくみの転換期だからなのか、或いはすべてが複合しているからなのか。そうとしたいところですが、どうも根本的な問題は違うように思えます。実は、この問いは一人ひとりがどう考えるかの問題なのでしょう。欧州や米国、或いはアジアと日本を比較してみるのは、数字やモノによるのではなく、自分が実際にどう感じるかでしかありません。海外から日本を見ないとわからないといくら言っても、本人自身が海外に出て見てみないと結局はわからなのです。
池坊短大准教授でWebなどのメディア情報学を教える、知人の中島美佐穂さんがとうとう本を出されました。「iPadでヨーロッパひとり旅を10倍愉しんだ私の方法」(明日香出版社)が、 今、本屋さんの旅行書のブースに平積みされています。旅行ブームのって売れそうですね。とにかくわかり易い、すぐに役立つiPadの活用本です。スマフォにも応用できますが、海外旅行に行く時はタブレットPCが欲しくなってしまいます。わたしがイタリアに旅行した時も同行していただいたパナソニックの方のiPhoneが随分と役に立ちました。あのときに、わたしも本を書く発想をすべきでしたね。
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コメント
黒川様
拙著をご紹介くださいましてありがとうございます。しかも、ご推薦の言葉まで頂きまして光栄です。心より感謝申し上げます。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
投稿: 中島美佐穂 | 2012年12月30日 (日) 22時04分