二百六話 高齢者の労働意欲
前回記述した就業人口の構成比のグラフが出来上がってきましたので載せておきます。産業別の雇用の貢献度がよくわかります。
国際労働機関(ILO)の2010年の調査によると、高齢者(65歳以上)の男性の労働力率はG7のうちで日本がダントツの1位です。日本の28.8%に対して、英国は11.3%、フランスなどは2.4%しかありません。老年人口比率も1位ですが、肩を並べるG72位イタリアの同労働力率が5.7%ですから、高齢者の活用は日本が飛び抜けています。おかげで団塊世代が65歳に到達、大量退職し、労働人口の急低下を懸念された「2012年問題」は杞憂に終わりました。日本の高齢者の労働対策は、高齢者の労働意欲の高さも手伝って、今のところ上手く行っているように思われます。しかし、よく考えると、労働人口の問題と国の政策のツケを企業が負っているともいえます。そのシワ寄せは、若年雇用に向かいます。若年の「失業率の上昇」と「上がらない賃金」、「負荷の偏り」が心配されます。企業による問題の吸収もそろそろ限界です。解決策はあらたに雇用を増やす産業を起こすしかありません。そこは国の政策の責任が大きいといえるはずです。
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