二百十九話 職務限定正社員
厚生労働省が25日の規制改革会議で、職務や勤務地を限定した正社員の雇用ルールを2014年度に作成する考えを示しました。たぶん、就業規則の記載サンプル等が提供されるでしょう。
このようなことをあらためて決めるということは、裏返せば日本の正社員がどういう性格のものかをよく示しているといえます。つまり、「なんでもする、どこへでも行く、その代り、めったなことでは解雇しませんよ」ということで、暗黙の了解が社会全体の認識となっています。欧米の職務契約型の雇用と一線を画しています。この前提が、日本の人事制度のあり方の枠を決めているといっても過言ではありません。ですから、これにハミ出た欧米に倣ったような人事制度を導入しても上手く行かないはずという訳です。
それはさておき、職務や勤務地を限定した正社員というのはこれまでなかったわけではありません。代表的なのが、総合職に対する一般職がそうです。「期間の定めのない雇用ですが、職務・勤務地は限定されています。したがって、昇給は総合職のようには上がっていきませんよ。昇格・昇進も制限がありますよ。」というものです。
実態としてあるこのような制度を雇用ルールとして明確化するのは、どうしてでしょう。今回、解雇ルールの緩和の議論については取り下げましたが、職務・勤務地限定正社員のルール化はそれを一歩進めようとするものです。すなわち、対象の業務がなくなれば、解雇が可能、その勤務地の事業所を閉鎖するとなれば、解雇が可能というルールの明確化の推進です。
それは、やはり雇用の流動化が今以上に進むことを意味します。これから中小企業は、必要とする人材の採用・定着を最優先とする人事政策に切り替える必要があるでしょう。
旧居留地にある大丸神戸のエルメスがリニューアルオープンし、エルメスの頭文字のロゴが入った金太郎飴が配られたそうです。こんな駄菓子がなんだかおしゃれで、さまになって います。神戸は、ソティスフィケーテッドに融合した和と洋が似合う独特な街ですね。グランフロントのオープンで益々集客力が増す大阪に対抗して、神戸も一味違う魅力で頑張って欲しいですね。
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