二百十五話 雇用の流動化②
経済の基礎的状況、企業を取り巻く環境が大きく変わり、成長産業の顔も入れ替わりつつあります。それに合わせて、日本経済の復活の鍵となる人材の移動はどうしても必要です。そのために雇用の流動化を進めなければなりません。
雇用の流動化とは、労働市場の自由化です。自由化とは、需要と供給の関係で決まる世界です。供給が需要に勝れば、つまり雇用希望者が企業の雇入れ希望人数より多ければ、買い手である企業は常に優位に立てます。
その点からすると、中小企業は残念ながら、慢性的に人手不足です。景気の良い悪いにかかわらず、欲しい人材が採れないのです。つまり常に売り手優位なのです。しかも、なんとか採用できても定着率が悪いのです。人がいないのではありません。欲しい人材を確保し、定着できないのです。
もし、雇用が大きく流動化すれば、それにさらに拍車が掛かることになります。けっして、プラス面の効果は望めません。おそらく、必要とする人材の定着にいたっては惨憺たる結果となることでしょう。定着率の悪化は、足元の仕事がまわらなくなるだけでなく、技能の継承もままならなくなります。また、採用にかかる費用と時間は思っている以上に大きいものですし、その上流動化が増せば、中小企業にとっては採用時の給与だけでなく、賃金全体が上昇し、教育のコストも増える一方となることでしょう。多くの中小企業はそれに耐えることができません。
中小企業においても、人を選べる会社はあります。しかし、それはほんの一握りに過ぎないのです。多くの中小企業、とくに下請け型企業は壊滅することになりかねません。<その③へ続く>
30日に年1回恒例の楠田丘先生の勉強会と誕生祝の会がありました。前日の29日が先生の誕生日で、90
歳
になられました。凄いですね、あの大きな声はいまだに健在ですから。オイルショックを契機に職能資格制度を本格的に普及されたお話をされていましたが、戦後の日本の賃金制度をリードされてこられた実績はまさに不動のものです。さすがに講演、指導、執筆はもうなさらないとのことですが、社員は「人財」ではなく「人材」と熱く語る楠田節は錆付いていませんでした。
写真は4/1より新宿京王プラザホテルロビーに展示開催されている、友人の美術家岩本拓郎のセッティング時
のものです。15年位前に目黒の塗料会館に入れて
もらったのと同じシリーズのものが展示され
るとあって、31日に見てきました。クルマに使う塗料で描いたもので独得の透明感があります。今回の京王プラザの広くてがっちりした空間の中で映えるところは、作品に力がある証拠ですね。その前の週が奥様の浄土紀久子さんの染色展でしたが、見れずに残念でした(ちなみにYouTubeで浄土さんのショールをまとっているのは次女で美人モデル・シンガーソングラーターの葉葉さんです。)
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