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2013年5月

2013年5月26日 (日)

二百二十三話 顧客が確実に増加する業種

 昨日、介護関係の関与先で、元日経トレンディ編集長でフリージャーナリストの淺川澄一さんによる記念講演会がありました。2011年にスタートした厚労省と国交省の初の連携による「サービス付高齢者住宅制度」を中心に、国がこれから高齢者の介護問題をどのように考えていPhoto_3るのか、重要な課題は何で展望はあるのかないのかをわかりやすく解説されPhoto ました。話の組み立ての上手さはすばらしく、内容の濃い2時間でした。
 そのなかから専門的な内容の部分はともかく、事業的な観点からなるほどの話題を一つ。
 介護保険は65歳から利用ができますが、65歳~75歳までの利用は12%だそうで、すなわちほとんどが75歳以上で利用となります。今、団塊の世代は64~66歳ですが、この世代の出生数は現在のそれの2.5倍あり、しかも生存能力の強い世代で、それがこの先90歳、100歳と長生きします。つまり、少子化、人口減と言われる中で、これからの30年は高齢者と高齢者の死亡数は、まちがいなく増え続けると言うわけです。特に団塊世代が介護保険を本格活用し始める10年後からの20年間は、介護関連事業のニーズはピークを迎えることになるということです。いわば、利用者である顧客がまるで高度成長期のように増え続けるわけで、そのような業界は他にないでしょう。高齢者死亡数も現在の85万人から140万人と増加し、それが20年続くことになるのです。
 国もこの10年の間に対策を講じることが勝負と考えているとのことでした。事業家にとっては、10年も準備期間があり、うまくすればその後20年間は確実に果実を得られることとなります。国の行く末を左右する施策の話でもありますが、事業としても間違いなく魅力ある分野といえます。低い賃金に人不足など問題は山積みですが、事業者、顧客である利用者、働く人の3者が充足するビジネスモデルが早く、いくつも出てくることを期待したいものです。

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2013年5月19日 (日)

二百二十二話「社員・パートさん11人までの小さな会社の社長業」

 明日香出版社の石野誠一相談役の久々の新刊「社員・パートさん11人までの小さな会社の社長業」が出ました。タイトルの小さな会社経営者のための足元の実践的ノウハウが惜しみなく掲載されています。自ら小さな会社を4つ起こされ、何十年も存続されているその説得力は9圧巻です。
 はじめてお会いした時に仰った、「企業と会社は別のもの」「会社が企業のマネをするからおかしく なる」という言葉は強烈で、以来、わたしのカテゴリーを決定づけるものとなりました。
 この本にはそんな目から鱗のフレーズが満載です。「なんとか続く。それでいい!」「人目につくな!」「『企業』の苦労はグローバル」「沖に出たら旗を揚げよ!」「勝てば和はついてくる」「売上を減らせ?!」「正しい残業のさせ方」などなど、わくわくさせます。
 先週、関与先の女性社長が知り合いから「どうしたら社長になれるのか」と聞かれて、次のように答えたと仰ってました。「社長は誰でもなれる。でも、課長は他人に評価されないとなれない。」と。なるほどと感心すると同時に、わたしには、裏返せば社長業の孤独で大変さを的確に表す答えとして聞こえました。
 この本は、そのような社長さんの応援歌でもあります。いわば、社長としての「居直り方」を教えてくれているのではないでしょうか。経営書として読むより、しんどい時の拠りどころとしておいて置きたい一冊ですね。

 グランKiフロント大阪に紀伊国屋書店がはいっています。すぐ近くの阪急の下の梅田店はいつも大変な混Photo_2雑で、あまり足が向かないのですが、ここはゆったりした穴場です。スタバも 併設されていて、ゆっくり捜して中 身も吟味できます。専門書も充実していて、わたしのカテゴリーの「人事」も揃っています 。有難いことに、自著「やっぱり、人事が大事!」も平置きされておりました。

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2013年5月12日 (日)

二百二十一話 サムスン社員の働き方

 これでは日本の家電メーカーはとうてい勝てない、「サムスンで働いてわかった韓国エリートの仕事術」(水田足尊久著、中経出版)を読むとそのような気になります。この本は、日立に10年勤め、その後サムスンに12年勤めた日本人技術者が、サムスンの社員の働き方についてまとめた本です。実情を知ると、驚くことばかりです。日本人の常識がことごとく覆されてしまいます。おそらく、サムスンのような仕事や人事のあり方の会社が日本に存在したら、けっして「良い会社」とは誰も言わないに違いありません。例えば次のようなことです。
 同じ研究テーマで社内に二つも三つもプロジェクトが存在する。休憩をしょっちゅうとり、昼食などとる時はチームの全員が揃うまで必ず待っている。短期成果重視。知識偏重、経験を41kldmrlkcl__sl500_aa300__2伴わない知識をもとにプレゼンを平気でする自分で実験、作業することをを嫌う。社長が一番で、製品は二の次。最終顧客や製品開発より、上司を大事にする。なのに、元上司には挨拶もしない。上司から部下への指導は希薄。やたらミーティングが多い。技術者の社会的地位は高くなく、社内も同様。。非現実的な高い目標をたて、違ったらそのときに直せばよいと考えている。社員の目標は競争に勝ち、出世することに尽きる。等々、挙げ出したらきりがないほどです。普通に考えれば、こんな会社がやっていけるはずがないと思うでしょう。欧米のマネジメントの理屈からしても当てはまらないことだらけです。でも、日本はそんな会社にコテンパンにやられているのです。
 しかし、よく考えるとすぐにその理由がわかってきます。向こうはバリバリの戦闘モードですが、日本の会社は悠然と行儀よく、和歌に磨きをかけるがごとく、高品質を追求しているようなものだということです。
 われわれはこの現実を知っておく必要があります。過大評価も過小評価も間違いです。必要なことは、おそらく自らの強みを再認識すべきということはないでしょうか。そのことを確認できる一冊です。

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2013年5月 6日 (月)

二百二十話 ものづくり補助金

 民主党時代の時代とはうってかわって、アベノミクスで予算がついたら、実績の確保でお役所も動き出しました。方向が定まれば、助成金の審査も民間におろすなど、なかなか動きは早いといえます。
 弊グループの会計事務所も「認定経営革新等支援機関」をとり、すでに中小製造業対象の「ものづくり補助金」で3件、事業計画のサポートをし申請しています。また顧問先以外からの問合せも数件来ています。他にも、「経営支援サポート」補助金が目白押しです。なんだか使えそうにないものもありますし、使い勝手も良いとはいえない部分もありますが、うまく合えば値打ちありです。予算がなくなる前に、ちょっと目を通しておく価値はありそうです。

だんじり祭り」は岸和田が有名ですが、この季節に神戸でも海沿いの地区では「だんじり」練り歩きます。うちの子供もPhoto 小さい時はお稚児さんの衣装を着て「だんじり」についてまわりました。神戸の「だんじり」は小振りですが、それでも神戸独特の坂が多く、道も狭いところを練り歩く姿はなかなか見応えがあります。「だんじり」のお囃子を聞くと、今年も1年で最もさわやかな季節Photo_3 が来たと感じます。なんでも東灘の住吉神社は小さいながらも、全国2Photo_2 000の住吉さんの総本山だそです。いつもは境内の倉に仕舞われている7台の「だんじり」が陽の目をみるこのときに、そのことが証明されるみたいで、神社も輝きます。
 神戸でも山を越えた地区にはこの祭りはありませんから、家内によると、そちらに住む知人の男性が「うらやましい」と言っていたとのことです。でも、その話にはオマケがあって、わたしはまだ見たことはないのですが、「だんじり」のなかに女性ばかりの「女だんじり」と言うのがあるそうで、どうやら「それが見られて、いいな」ということだったらしいのですが。写真は夜の7時過ぎに本山の山の手を練り歩く「だんじPhotoり」。当日、偶然にお会いした、この近所にお住まいで、以前にお手伝いさせて頂いた会社の社長さんからも写真を送付いただきました(右下)。芸術的ですね。

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