二百二十八話 コンピテンシー評価
成果主義以降に米国からやってきた「コンピテンシー(competency)」も人事の用語としてはかなり定着しました。大手の評価制度に、成果をはかる目標達成度とセットでプロセス評価の基準として多く使われています。語源は「コンペ」とあるように、もともとは競争力を意味し、自社の成果につながる能力、資質、行動特性として評価基準やアセスメント指標に導入されました。常に成果を上げている人の行動およびその要因を見つけ、それに習えば、全員のレベルアップがはかられ、業績向上につながるというものです。成果主義=結果主義の反省を余儀なくされていた大手企業は、プロセス評価の指標として飛びついたわけです。
コンピテンシーの評価区分としては、「ポテンシャル」あるいは「行動」として扱われています。前述のプロセス評価の場合は「行動」となります。たとえば営業なら、「お客様の名前を覚え、こちらから気持ちを込めて声を掛けていたか」「一方的に喋るのではなく、相手の話に親身になって耳を傾け、本当のニーズを拾っていたか」などという短文型の具体的な評価基準が使われます。
コンピテンシーが従来の基準と大きく違う点は、その扱う範囲が広いことです。この例文にあるように、「気持ちを込めて」「親身なって」というところがキィで、そのようなこちらの姿勢や意識が相手に伝わらないと、うわべだけ同じような行動をとっていても駄目なのでしょう。「姿勢や意識」という微妙なニュアンスのよくわからなものまで対象とする点が、コンピテンシーの特徴です。でも考えてみると、それは中小企業の社長さんがまさに見ているポイントではないでしょうか。中小の社長さんの「勘」も、「コンピテンシー」というそれらしいロジックで「見える化」され、グローバルに通用する評価基準として再び役立つときが来たといえます。珍しく大河ドラマを欠かさず見ています。「八重の桜」の魅力は、幕末の動乱をこれまでは新政府や幕府、新撰組などの側から見たものばかりでしたが、追い詰められる会津藩という視点から描いたドラマはなかった点と、薩長連合に次々と敗退して行く大きな要因として、武器の性能に焦点をきちっとあてている点です。会津の主力火器は、新式銃が間に合わずゲベール銃と火縄だったようですから、薩長が標準装備するライフルを切ったミニエー銃などに歯が立たなかったわけです。なにしろ、射程距離がゲベール100M、ミニエー1000Mとかいうのですから。さて、明日の「八重の桜」はいよいよ会津戊辰戦争のクライマックス、八重の参戦となります。昔の友人で道場主役にて出演の六平直政君もようやく見せ場がありそうで愉しみです。
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