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2013年9月 9日 (月)

二百三十八話 アジアの賃金①

 ジェトロが発表した12年度の「アジア・オセアニア地域のコスト比較」の中で、各主要都市のワーカー(工場現場従事者)の賃金を見ると、日本が突出しているのがリアルに分かります(下表)。もとは、比較のために年額・ドル表示ですが、ピンと来ないので私どもで月額・円換算したものです。
 韓国ソウルで名古屋のおよそ6割、中国深せんが1割強、ミャンマー・ヤンゴンにいたっては50分の1です(ちなみにオーストラリア・シドニーでは逆に2割増し)。これでは、はなから勝負になりません。アベノミクスで政府が要請する賃上げどころではないことになります。でも、名古屋の月額425,640円(技術係員平均年齢33.3歳)はどう見ても高く思えます。これは、所定内月額に残業代と賞与が換算で含まれているからで、それを除くと24万円前後になるでしょう。それでも少し高い気はしますが、それほどおかしい数字ではありません。仮に割り引いても突出した高さです。すると、国内製造業が競争の土俵に上がるには、どう考えても方策は限られてしまうことになります。現実、給与を下げるのが不可能とすると、付加価値の高いモノづくりで、高い技術力の要る仕事をし、日々改善を続け、生産性を上げるしかないことになるでしょう。同じものを同じ様につくっていたのでは、勝ち目はありません。できなければ海外へ出て行くしかないことになってしまいます。
130909

7日の土曜日に仲間の勉強会が沼津でありました。沼津の先生が奥様の介護でなかなか来れなくなってしまったので、こちらから出向こうとなったわけです。勉強会のテーマは、60歳以降及び高齢者の賃金と働きか方についてでしたが、心配する我々がいつの間にか高齢者または高齢者にならんとするやからになってしまいました。まさに日本の縮図ですね。

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