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2013年10月13日 (日)

二百四十三話 大人の知力調査から

 OECDが初の国際成人力調査を行いました。成人力とは社会生活の中で求められる能力とのことです。その結果、「読解力」と「数的思考」では24カ国中1位をとり、全項目を総合するとざっくりトップといえるようです。2009年に行われたOECDの15歳学力到達度調査では、韓国、中国が1位だった項目が随分とありました が、両国とも今回は上位に顔を出していません。今回の成人力の対象が16歳から65歳と幅広く、項目も社会生活で必要なものだったことが要因と思われます。日本は各年代において教育水準のバラツキが少なく、基本的能力において一定レベル以上の人が多いというわけです。長期に渡って義務教育がよく浸透し、企業も教育熱心という、日本の特徴がストレートに反映Photoした結果となっています。つまり、ダントツの秀才、天才型のトップレベルも少ないが、底辺レベルもほとんどいない。中間層が厚く、総合力が高いという日本の強みを良くあらわしているといえます。このことは、最近読んだ「住んでみたドイツ八勝二敗で日本の勝ち」(講談社プラスアルファ新書 川口マーン恵美著)にもよく重なります。これを読むと、ドイツに較べて日本の凄さがわかります。最近のJRの毎日のように起こる遅延は何とかならないかと思っていましたが、ドイツの鉄道のお粗末さ加減からすると、文句どころか、まだまだレベルが高いと許せてしまいます。空港の検査であんなにうるさいドイツでさえ、これですから、他のEUはもっと凄いのでしょう。また、どう考えてもドイツの教育制度は問題だらけです。まったく機会均等の精神からかけ離れ、義務教育から格差をつくるシステムに見えてしまいます。一部のエリートが引っぱり、落ちこぼれにチャンスがない社会です。日本の教育も問題あるでしょうが、比較的均質な教育水準のおかげで、これまで社会を混乱させることなく、時間を掛けて改善してきたといえます。日本は課題が共有されれば、解決に向けて前進できる社会です。企業もグローバル化に踊らされず、その強みを見失わないことといえそうです。

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