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2013年12月

2013年12月22日 (日)

二百五十三話 インフレはやってくる?

 アベノミクス効果で物価はマイナスからプラス0.9%くらいに上がってきているらしい。目標の2%にはまだ届かないが、とりあえずデフレ解消といえそうです。ただし、インフレには良いインフレと悪いインフレがあって、現在のインフレ傾向は円安による輸入品の高騰の影響が大きく、良いインフレとはいえないということらしい。良いインフレとは、欲しいものを欲しい人が多くて、なかなか手に入らず、モノの値段が上がる状態をいうとのことで、そういうことだとすると、良いインフレに本当になるのかどうか少々心配なところです。
 野村総研の「なぜ、日本人はモノを買わないのか?」(東洋経済新報社刊)によると、結論から言えば、モノを買うとき「情報が多すぎる」のが最大の要因とのことです。ようするに、一つモノを買うのに選択肢が沢山あって、しかもその情報が溢れていて、自分が本当に欲しいもPhoto_2のを選べるどころか、そのことが逆に買う気を削いでしまうらしい。どれにしようかと迷う選択肢は3つくらいが適切みたいで、それ以上になると、買う行為そのものを放棄する率がどんどん高まって行くみたいです。
 そういえば、画期的な商品が出てヒットすると、世界中のメーカーがこぞって開発に参入し、どこもそれなりの技術力、情報力があるために、あっという間に偽物ではなく、同レベルの品質で、少し仕様の異なる類似の商品がずらりと並んでしまいます。しかも、ネット上には細かな比較情報が溢れかえります。そう考えると、良いインフレがこれから本当にやってくるのかどうか。
 ベアに踏み出せない企業の不安要因の一つのは、まさしくそのことのように思われます。
 

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2013年12月15日 (日)

二百五十二話 コンビニ100円コーヒーの乱

 入れ立ての100円コーヒーを、昨年にサークルKサンクスが、今年の1月からはセブンイレブンが始めて、ファミマ、ローソン、ミニストップの大手コンビニチェーン全店に瞬く間に拡がりました。今年の全社累計で7億杯を超えるといわれ、当然周辺に大きな影響を及ぼし始めています。
 もともとの火付け役といわれたマクドナルドの100円コーヒーが売上減となり、直接競合する同じコンビニの缶珈琲や自販機のそれが大きく打撃を受けています。また、コーヒー専門店のドトールは5か月連続で前年割れ、快進撃だったスタバも10月は前年割れとなりました。もちろん各社、手をこまねいているのではなく、早急な対策を打ち立てはじめています。缶珈琲はペットボトルをつくったり、香りや味のバリエーションを増やすなど、専門店は値段を上げ高級感を高めたり、普通の喫茶店のようにフルサービスを導入したりと、なんとか差別化をはかろうとしています。
 それにしても、大変な時代となりました。これまで、同業こそが競合する相手として対策を講じ、切磋琢磨していたのが、思いもよらぬところから、超強力なライバルが出現するわけですから。しかも、突然、まさに一夜にしてなので、たまりません。一つの成功パターンでいつまでも安心していられなくなりました。ビジネスモデルの賞味期限がどんどん短くなっています。

震災後にスタートした再生可能エネルギー買い取り制度で、太陽光発電はこれまでに計算上は原発20基分に相当する認定を出しているそうです。年々買い取り価格は下がるのですが、認定を受けた時点の価格で電力供給時Photoから20年間買い取ってくれるので、早いうちにとこぞって認定に駆け込みました。そのお蔭で、まさに「どこでも太陽光」状態です。(写真のようにグループのコンペで使うゴルフ場へ行く途中にあった三角形の小さな農地にまで、いつの間にか太陽光パネルが敷かれていました。)但し、まだ認定の1割しか発電が始まっていません。この制度には大きな欠陥があって、買い取り価格は認定時の金額固定ですが、電力供給はいつまでにしなければならないとは定めていません。したがって、慌てて認定のみ取ってそのままというところばかりなのです。前政権は失策ばかりで、三原じゅん子議員にこてんぱにされるはずですね。

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2013年12月 8日 (日)

二百五十一話 中小の冬季賞与

 大阪シティ信用金庫の調査によれば、この冬の中小企業の賞与は「支給する」が56.2%、昨年同期比で6ポイントの大幅増加です。このデータは大阪の20名以下の中小企業が約8割というものですから、景気の拡大がすそ野にまで拡がってきたことがうかがえます。また、同調査で、人手の「不足」の回答企業が32.4%で、「過剰」の7.3%をこちらも大幅に上回り(リーマンショック後は「不足」が6.1%、「過剰」が23.3%でした)、景気の上昇による人不足が深刻化しつつあることが読み取れます。どうも中小企業の実態としては、好景気の実感より先に人不足が来てしまいそうな気配です。やはり、賃上げも人の採用から訪れることになりそうです。

「海賊とよばれた男」(講談社)の冒頭のシーンに、出光佐三がすべてを失った終戦直後、会Photo社の再建に向けて集まった社員への第一声が描かれています。「愚痴をいうな。すぐさま、再建に取り掛かれ。」戦前戦後の創業期の出光が、いつ潰れてもおかしくない状況を何度も乗り越え、大会社になった最大の理由がこの一言にあったような気がします。就業規則、時間管理を持たず、定年、解雇もない、他社とは全く違う出光佐三の経営理念にその理由を求めたりしますが、そうではなく、この一言、このリーダーシップこそがすべてのように思われます。また、震災の精神的ダメージで筆を持てなくなってしまった著者の百田直樹氏を駆り立て、3度も救急車で運ばれながら、この大作を一気に7か月で書き上げさせたのも、この言葉ではなかったでしょうか。嘆いている暇、愚痴を言っている暇はないと。まったく、凄い宝を掘り出してくれたものです。
先日の「未来世紀ジパング」で、ソウルのモンシェールの店舗が取り上げられていました。開店と同時に客が殺到し、行列ができて、堂島ロールが日本より高い値段にもかかわらず、3時間で完売でした。インタビューでも「この味は他に無いから」といっていました。大阪生まれののスイーツが海外でも人気なのはちょっと嬉しいですね。
こちらは、姫Photo_3路の老舗、伊勢屋本店さんの来年の大河ドラマにちなんだ新作、「官兵衛兵糧餅」です。試食させていただきましたが、名前のごとく、ずっしり食べごたえがあり、売れ行き好調とのことです。

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2013年12月 2日 (月)

二百五十話 ベア③

 あまり知られていないことですが、定昇の定義は、これまで労働組合や経済会、専門家や統計機関によって結構まちまちでした。ようやく最近になって、新聞記事などの書き方も固まって来たと思われます。
 新聞の言い方をすれば、定昇は「ルールに基づいて行う、原則全員対象とした毎年実施の昇給」となります。年功や自動昇給、評価によって上げ幅が異なる査定昇給など中身はどうであれ、ルールどおりに実施するのが定昇で、その底上げを行う書き換え、つまりルール変更がベアとなります。
 こう定義されると、会社と社員双方に何が変わるか、わかりやすくなり、定昇というルールがあることのメリットが出てきます。定昇というルールがない会社では、今回のように、ベアを考えなければならないときに、どれだけ上がったのか、例年通りなのか区別がつきません。
 社長さん一人がすべてを決めているような会社ですと、社長さん自身がルールブックのようなものですから、定昇などなくても構わないでしょう。「今年は皆よく頑張ってくれたし見通しも悪くないから、昇給は期待しておいてくれ」でよいのです。でも、管理職に権限と責任を委譲し、一部門等を任せようとする会社なら、必要となるはずです。そうでないと、今年は例年通りなのか、幾らか上乗せがあったのか、部下から聞かれても答えることができません。

グランフロント2階のJRからの通路に今でも並んでいるケーキ屋さんはキルフェボンというらしい。持ち帰りはそれほど待たずに買えるようになったとかで、家内が買ってきた。タルトケーキ専門とかで、値段を聞くと驚いてしまう金額でPhotoある。わたしの感覚からすると(そもそもスイーツの相場を知らないのだが)、いい値段と思っているケーキの二つ分の金額である。食べてみると、なるほど美味しい。並ぶはずである。モンシェールの金美花社長が言っていたように、「日本のスイーツは世界一」というのは本当かもしれないと頷いてしまう。それにしても、阪急の地下といい、梅田は狭いエリアにスイーツの有名店が密集していて、これだけで中国や東南アジアのツアーができそうである。何しろ、上海の堂島ロールがクリームを日本から輸入しているように、中国などではこのようなスイーツをまだ作れないらしいのだから。

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