二百六十五話 売り手市場
いつも、ひっくり返るときは突然です。雇用情勢は売り手市場一色となってしまいました。日経によると関西でも主要企業の4割が15年春の採用を増やすとしています。景気が良くなり、失業率が下がるのは結構なことなのですが、中小企業は途端に採用に困り始めます。
中小企業でも一部のネームバリューのある企業等は別として、大半のところは大手と同じことをしていては、まず人材は採れません。大手の反対を狙うしかないのです。新卒をあきらめ、第二新卒、中途を主体に、女性の活用、外国人の活用、短時間勤務や変則勤務を考えざるを得ないようになってきています。
けれども、多くの中小企業はイレギュラーな雇用の活用を苦手としています。様々な働き方に対応したり、これまでの経験則にない人材を活用するためには、実質的にトップだけがマネジメントをしている状態から、どうしてもマネジメントの分担が必要になってきます。けれども残念ながら、多くの中小企業はマネジメントできる人材が育っていません。様々な意味で人に困る難しい時代がやってきます。
前々回の落語の続き。上方落語の「口入屋」は江戸では「引越しの夢」になります。落ちそのままのタイトル
です。ほとんど同じ内容ですが、「口入屋」のクライマックスの鍵となる道具「膳棚」が「引越しの夢」では「ねずみいらず」となります。「ねずみいらず」とは、鼠が入らないように天井から吊ってある食器棚のことらしいのですが、どうもよくわかりませんでした。現在で吊り戸棚といえば、高い位置にある食器棚ですが、落語では紐でぶら下がっています。わたしの中では長い間謎のままでしたが、やはり、石見銀山の古い商家跡にそれらしいものがありました(写真)。これなら落語通りにいきそうですが、さて正解やら
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