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2014年4月

2014年4月27日 (日)

二百七十話 こんなこともあろうかと

 

 

 最近の若いリーダーやリーダー候補の人を見ていますと、どうも「計画性」が弱いような気がします。携帯やスマフォは初めからあたりまえだった世代は、計画を立てず、準備、段取りを飛ばして、いきなり動き出します。それはそれで良い面はあるのですが、リーダークラスの仕事は「計画性」が必須で重要なのです。

 かつて多くの困難を乗り越えて、みごとにミッションを果たして帰還した「はやぶさ」は世界中から賞賛を受けて、リーマンショック後の日本に久々に明るい話題を提供してくれました。

 宇宙空間を数年間飛行する計画で、途中でなにかあってもそこで直接手を下すことはほとんどできません。「はやぶさ」のプロジェクトにとって、計画なかでも準備、段取がすべてだったわけです。実際、帰還の途中で4つあったイオンエンジンがすべて止まり、これでお手上げかと思われました。そのときに、生き残っていて作動可能な一つのエンジンの部品とやはり作動可能だった別のエンジンの部品とをつなぐバイパス回路を起動させて、エンジン1基を復活させ、奇跡的に無事帰還することができました。

 そのイオンエンジンを設計した国中均教授が次のように語っています。「こんなこともあろうかと思って、誰も知らない余計な回路をこっそり組み込んでおいたのです。」、この「こんなこともあろうか」と想定外の事態を頭に描くことがまさに「計画」の真骨頂といえます。国中教授によると、アニメの「宇宙戦艦ヤマト」で波動砲が動かず窮地に陥ったヤマトが波動砲を甦らせるシーンに「こんなこともあろうかと思って」という好きなセルフがあって、そのセルフをいつか使ってやるぞと思っていたそうです。

 これからのリーダーは、スピードを要求され、慎重さよりも動きながら計画を立てるようなスキルを求められることでしょう。でも、いざというときには、「こんなこともあろうかと」段取れる想像力のある人が、組織を救い、勝ち残るような気がします。

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2014年4月20日 (日)

二百六十九話 採用面接の教え

 「42歳からの上司のルール」(明日香出版社)など、ビジネス書を多数出されている採用コンサルタントの田中和彦さんが、朝日新聞のコラムに興味ある話を載せていました。
 「金融機関に入社した男性が、営業志望だったのにいきなり人材開発部に配属されました。採用で悩んでいたときに、上司から『1次面接では、採るべき人を落とすことを罪とし、2次面接では、入れてはいけない人を採ることを罪とせよ』という考え方を教わり、気が楽になった。」と、いうようなことを書かれています。
 中小企業では、新卒採用などなかなか応募者も集まりませんが、集まったら集まったで、選ぶのに苦労します。なにしろ、本当に採りたい優秀と思われる人は内定を出しても、他社からもたくさんの内定が出ていたりして、来春にわが社に来てくれるかどうか、とても怪しく、心配です。ですから、少々不本意でも確実にわが社に来てくれそうな人を選ぶ傾向になります。つまり、少々問題があっても、社風に沿い、入社してから何とか育てられる人です。
 したがって、中小企業の採用ではコラムの教えがよくあてはまります。すなわち、わが社が、「採ってはいけない人を採らないこと」です。

先週、仕事で姫路へ行きましたら、平成の大改修ですっぽりテントに覆われていた姫路城天 守閣がPhoto、ようやく顔を出していました。1年半ぶりでしょうか。随分と白く綺麗になった感じがします。まだ、鉄骨が残っていますが、すべて外れたら、さぞかし荘厳なことでしょう。天守閣に上がれるようになる完成は来年ですが、これでようやく姫路らしくなります。勘兵衛が九州に行く前になんとか間に合いました。姫路はやっぱりお城がなくては格好がつきません。

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2014年4月13日 (日)

二百六十八話 スタバで面接

 朝日新聞に、米国の名門エール大学が日本の高校卒業生の入試面接を渋谷のスターバックスで行ったという記事が載っていました。学力を試すのではなく、どのような人物かを知るための会話が中心だったようですが、この手法は会社の採用でも参考になるように思います。とくに大量に採るわけでもない中小企業は、応募者がどのような人物かを見分けるのに役に立つようのではないでしょうか。スタバでリラックスして、じっくりと話をするわけです。マニュアルとロールプレイングでがちがちに訓練されてきた新卒などは、ホンネが引き出せそうです。
 それにしても、なぜスタバなのでしょう。エール大が日本に無いので、どこかを借りるのはわかりますが、普通に考えれば、どこか会議室を借りるか、もう少し砕けたところでも、ホテルのロビーくらいでしょう。確かにスタバだと、学生なら普段から使っていて、面接にあたって構え過ぎを防げそうですし、それでいて大衆的過ぎず、貧相なイメージはないでしょうから、どんぴしゃと言えそうです。あまり他に候補が浮かんできません。
 スタバのコンセプトは、「コーヒーを売るのではなく、他にない特別な場所と時間を売ること」だそうですが、なるほどそれなら面接場所にぴったりなのがわかります。あるいは、わたしがスタバの戦略にまんまと嵌ってしまっているのでしょうか。

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2014年4月 6日 (日)

二百六十七話 新入社員教育

 新入社員研修の時期です。以前からすると、中小企業も新人の研修に熱心なところが増えてきました。以前は、実地研修としていきなり同行営業などが多く見られましたが、最近は一定期間、研修を積む会社が多いようです。やはり、教育は定着率のカギの一つであることは間違いなく、研修を行う中小企業が増えてきた大きな理由と思われます。
 それでも、大手企業のように何か月もというわけにはいきません。それだけの、時間、費用、人員を割く余裕がありません。入社直後に数日間の座学を行ったら、あとは各部署へ配属となり、担当する業務の実地研修をするのが一般的です。その後は業務を離れた研修の機会などほとんどないのが普通です。
 その後も、定着やらリーダーの育成を考えれば、もう少し教育の機会を増やしたいところですが、中小企業の一番のネックはやはり時間だと思います。人員に余裕がないので、各現場のポジションに就いてしまうと簡単には抜けられないのです。でも、おそらくそれは言い訳で、長期のカリキュラム等を組めば解決する問題に違いありません。それができないのは、しようとする者がいないからに違いありません。

近くのスカイビルにウイラー・エキスプレスという長距離高速バスの発着場があり、立派な ターミナルまであります。長距離バスは度重なる事故で、昨年夏より規制が強化され、旅行代理店が貸切Photoバスを借り上げて運行していた、都市間を深夜移動する、いわゆる「高速ツアーバス」はそのままだと運行できなくなりました。通常の定期乗り合いバス型でないと認められなくなり、決まった発着場などが要るようです。それを見越してか、自前のターミナルまで整備したウイラー・エキスプレスは、廃業した路線の客も取り込み成功したようです。写真は発着場にオープンしたウイラー・エキスプレス直営の洒落たカフェ。早朝からバスで着いた外国人客がいたりします。桜が満開の下で旅の計画を練るのも良いでしょうね。残念ながら、こちらはこれから仕事ですが。

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