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2014年5月18日 (日)

二百七十三話 ひっくり返る

 デフレがインフレに変わったからか、いろんなことがひっくり返ってきました。原因はともかく、「人事」でいうと、中小企業が一番に念頭に置いておくべきは「雇用」です。労働市場が、買い手市場から売り手市場にまさに手のひらを返すようにひっくり返ってしまいました。お蔭で、この20数年続いた常識から頭を切り替えなくてはならなくなりそうです。
 たとえば、パートや派遣、契約社員等のいわゆる非正規社員の増加は、減少に転じます。会社の都合で使い勝手を考えていた雇用形態は縮小化するでしょう。ただし、拡がった雇用の選択肢が縮小するわけではありません。むしろ、働き手に都合の良い働き方のかたちは増加するでしょう。雇用形態は多様化します。
 それは、正社員にも拡がります。「地域限定社員」などがそうです。「転勤はあたりまえ」から、会社は頭を切り替えなくてはなりません。縮小傾向にあった福利厚生や社員寮も拡げるところが出てくるでしょう。慰安旅行や運動会も見直され、復活しそうです。中小企業は家族主義が一つの「売り」になるでしょう。ただし、昔と同じかたちでは戻って来ません。年寄りは「浴衣で宴会」などを想像してはいけません。旅行プランは女性に考えてもらった方が良さそうです。社員寮も同室詰め込みでは採用定着につながりません。同室の良い点を残して、シェアハウス型にするなどちょっと工夫が必要になります。

 この状況がバブルの時のように一過性のものかどうかは、まだわかりませんが、労働人口減少による人手不足は思ったより早く、深刻です。それは、地域を順に狙い撃ちしてくると思われます。

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