二百八十七話 2014年度新入社員アンケート
各統計機関が毎年、新入社員アンケートを実施いています。毎年、ほぼ同じ調査項目なので、時系列でみると傾向がよくわかります。新入社員の考えなど毎年だいたい同じと思っていると、実際にはその年によってかなり傾向の違いがうかがえます。
今年度の結果を見ると、過去一番という項目が幾つか見られます。「人並みに働ければ充分」「終身雇用志向」「海外勤務は避けたい」「独立、起業をしようとは特に考えていない」などです。また、昨年に較べて突出した項目として、会社を選択した理由に「福利厚生の充実」があがっています。これらから社員像を見ると、そこにはいわば、内向きのそこそこ主義が見てとれます。なんだか、寂しいかぎりで、がっくり来ますが、仕事をまだ何も知らない新人なので、これから変わっていくことに期待したいと思います。
それにしても、現在の売り手市場をよく反映していると思います。たぶん、会社の説明会や面接での手ごたえ、新聞やニュースなどから現在の採用情勢を知るのでしょうが、他にも学内の説明会での学校のスタンスなども影響していると思われます。
このような傾向を裏返せば、人材の確保といって、慌てて採ってはいけないということです。人不足でまず押さえておきたい気持ちはよくわかりますが、原則通り、自社に合った人材かどうか、やはりしっかり吟味してから採用することです。迷うような人材は採用しないことです。あとで、間違いなく手痛いツケがまわってきます。
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