二百八十四話 パナソニックの人事制度改定
ソニーと同様にパナソニックも10年ぶりに大幅な人事制度改定を行います。どういうわけか、改定要点がどちらもとても似ています。
年功色の払拭、部課長級制の復活、役職にもとづく業績評価の反映、役割等級制度の導入、若手社員の積極登用など、具体的な詳細は異なるものの、大筋はほとんど同じといえる内容です。
どちらもポイントは、賃金決定要素が人から仕事へ、責任の明確化、若手の登用です。これらは、前回も成果主義の題目に掲げて導入したはずですが、実質的には年功を引きずり、改革が中途半端だったというわけです。やはり、業績がほどほどに伴っている間は思い切った改革は難しいということでしょうか。今回は両組合とも止む無しの方向のようです。
そのように考えれば、今回の相次ぐ制度改定は成果主義の第二段階と言えるのかもしれません。目玉は仕事賃金、すなわち役割グレード制や役割等級制度でしょう。能力も含めた人の属性で決まる賃金から仕事に値段が貼りついた仕事で決まる賃金への転換です。グローバルな賃金はこの仕事賃金ですから、より一層のグローバル化とも言えます。
でも、これまで日本の製造業を支えてきたのは紛れもなく年功・能力型賃金です。この賃金は日本の製造業のメリットを良く引き出したといえます。それでも、いよいよパナソニックもこの年功・能力型賃金を完全に捨て去るということなら、従来の製造業のスタイルを変えてしまうということでしょうか。それほどまでに、業界の変化は激しく、もはや従来の成功モデルが成り立たないことを意味しているのかもしれません。
昔は私どもの会社のあたりでも淀川から飛んできたのか、川とんぼがよく見られました。川とんぼは、ビュッと飛ぶヤンマやシオカラなどと違って、どこかたよりない独特の飛び方なのですが、優雅で夏の暑い時期に
不思議と清涼感をもたらしてくれたものです。先日、自宅近くの川で、久しぶりに川とんぼを見ました。ヒラヒラという表現があてはまる、まさにトンボらしくない飛び方は子供の頃に感じた印象のまま、変わっていませんでしたね。
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