二百八十三話 世界共通の人事評価
成果主義以降、大きなトレンドが見えなかった人事制度ですが、大手企業はここへ来て、危機感を持って慌ただしく制度改定を進めています。新しいキイワードは「人事のグローバル化」です。日立、富士通、パナソニック、ソニーと、どういうわけか同様の動きです。日本は一度流れが定まると、皆同じように一斉に動き出します。
各社に共通するのは、等級制度と人事評価の世界共通化です。それは、人事の基準が「人」から「仕事」へ移ることを意味します。「人」の属性である、年齢、性別、勤続では世界から有能な人材を集めることはできません。また、日本の能力主義人事は、これまでうまく機能しましたが、残念ながら人にくっついた「能力」はハッキリとは見えず、グローバル基準に向きません。したがって、どのような仕事に就いているか、どのようなポストにいるかで処遇が決まるグローバルな人事制度の採用ということになります。
このように大手の人事制度はグローバル化へ突き進むことになりますが、さて、中小企業はどうすれば良いのでしょうか。世界から人材を集めるわけでもない多くの中小企業にとって、人事のグローバル化はさほど意味があるとも思えませんが、ならばこのままで良いのでしょうか。
大手企業が、人事でなかなかグローバル化できないことが一つだけあります。それは新卒採用です。極端に新卒にこだわるのは日本の大手企業だけです。この点は中小企業の強みです。中小企業は新卒にこだわりません。というか、こだわっていたのでは人材が採れません。したがって、第二新卒や中途採用、高齢者活用などは、中小の方が一歩先を行っていてノウハウがあります。
日本独特の定期採用制度もいずれは変わることでしょう。その前に、中小企業は今まで以上に凸凹の人材を活用するすべに一層の磨きを掛けておくべきと思われます。
東進ハイスクールの林修先生が9月2日放送の「痛快!生きざま大辞典」で落語界の爆笑王として故桂枝雀師匠をと
りあげて熱弁されていました。その中で、今一番好きな落語家として枝雀の一番弟子の桂雀三郎さんをあげていました。「とくにこの2,3年の雀三郎さんはすごい。名人の領域というのは、こういうことをいうのか」と語っていました。わたしも同感です。このところの雀さんはほんとうに凄い。話に吸い込まれるとはこういうことかと思ってしまいます。今年も桂雀三郎独演会が、11月15日にサンケイホールプリーゼであります。去年は仕事で行けなかったので、今年はなんとか見れるように祈るばかりです。
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