二百八十八話 同一労働同一賃金
民主党や維新の党など野党4党が「同一労働・同一賃金」を推進するための法案を今国会に提出しましたが、どうもピンときません。非正規の待遇改善に成功したオランダの例などを念頭にしているのでしょうが、オランダなどは「同一職務・同一賃金」で、職務給が中心の欧米はもともと明確な職務概念が形成されている上でのことです。日本にはそのような職務概念がなく、現実には仕事に基づく雇用契約をする意識が労使ともに希薄です。よって同一労働とは何を指すのか、明確になるとはとうてい思えません。
そもそも企業の方は、定型業務が中心の役割は正社員に任せたくないのです。そこは非正規に任せて、正社員は非定型の判断業務や監督業務を任せたいのです。すると「同一労働・同一賃金」の推進は非正規の待遇改善に向かわず、二層化を進めるだけとなります。
また企業が賃金を高く払っても良いと思っているのは、定型中心の役割では、仕事そのものというより、実際にはどれだけ融通が利くかなのです。とくに中小企業はそうなのです。したがって融通度が限定される働き方とそうでない働き方とは差がついて当然となるわけです。
その役割は欠かせないが、担う人材が少ないというなら、それだけの賃金を企業は払います。したがって国が整えるべきは、どのような仕事がどれくらい貰えるかをわかるようにすることなのですが、欧米式の職務という括りではなく、働き方も含めて企業が実際に求めている仕事の要所をきちっと伝えることができるしくみといえます。
写真は神戸アンパンマンミュージアムのあんパンなどのセット。
家内が贈答用に買ってきたものですが、勿体なくて食べれないですね。
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