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2015年2月

2015年2月22日 (日)

三百二話 ロイホのベアと景気の高揚

 少し高いが美味しくなったロイヤルホストが値上戦略に成功し増収増益で、いち早く16年ぶりとなる2000円のベアを決めました。全社員2000円は思い切った大きなベアですが、正解かもしれません。
 関与先の動向を見ると、足元の景気が急速によくなりつつあります。ほんのひと月前とは打って変わって、モノが動き出しました。確かに神戸港を見ていても、行き来する船の数がかなり増えています。円安でも鈍かった輸出がようやく動き出した感があります。
 景気の高揚は良いのですが、同時に人も動き出しました。転職市場はこれから活性化します。中小企業は注意が必要です。採用も大事ですが、有能な人材の流出防止にも、より気を付ける必要があるでしょう。
 では、賃上げすれば良いのかといえば、そんなことはありません。人材の定着の原則は、はっきりしています。自分の成長と会社の成長が一体となること、それが実感できること、目に見えることです。賃上げもその一つということです。

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2015年2月15日 (日)

三百一話 新卒初任給の上昇

主な統計機関による大手中心の今年の賃上げ予測は、概ね昨年並みか、やや上回るといったところです。定昇込み賃上げ平均で、2.2%前後、ベアだけだと1000~1500円です。
 大手に較べて中小企業は、業績の厳しいところが大半というのが実態のようですから、ベアどころではない会社がほとんどと思われます。但し、賃上げはともかくとして、問題は初任給がどのくらい上がるかです。初任給は募集時に示さないとならないので、昨年のベアの影響を主に受けます。いくつかの統計機関の予測を見ると、201年春の各学卒別初任給のアップ額は概ね400~500円です。したがって、中小でもこの春、新卒を採る会社は初任給をこのくらい上げているところが多いことになります。この額なら、昨年採用した新入社員を越さないかもしれませんが、差は縮まります。若年層の底上げ(ベア)をするかどうか、考えどころとなります。
 初任給相場はこのようにして決まるために、2016年春には一段と上がると予想されます。
(18日に一部修正)

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2015年2月 8日 (日)

三百話 外食産業の求人

 すかいらーくでは、2016年の新卒採用の8~9割をバイト出身者にします。これまでも3割程度はしていたようですが、定着率が高い、面接が簡素化できる、即戦力につながる、囲い込みができるなど良いことづくめのようです。しかも、学生にとっては就活につながることでバイトの採用アップにもなり、一石数鳥みたいです。
 裏返せば、外食の採用がそれだけ大変だということですが、居酒屋「塚田農場」や「四十八漁場」等を展開するAPカンパニーという会社では、アルバイトの大学生に自社の採用ではなく、「就職支援セミナー」や模擬面接を無料で受けられる特典を提供したり、新卒の採用を希望する大手企業の採用担当者に客としてきてもらい、実際の働きぶりを見てもらう審査の場を提供したりしています。お蔭で、それらを目当ての大学生でバイトの応募は常に満杯だそうですし、バイトのモチベーションが高く、技能レベルや規律性も向上するようです。まさに逆転の発想ですね。

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2015年2月 1日 (日)

二百九十九話 文学的表現

 今年経済の注目の一つのは、米国の利上げです。昨年にFRBのイエレン議長が答えた「相当な期間」が注目されました。市場はそれを「6カ月程度」と読み、その表現がいつ消えるかに注視していましたが、暮れの声明でFRBは「忍耐強く待つ」と応じたのす。原油価格のダウンなどの新たな要素が、出した声明をすぐに引っ込めるわけにはいかないFRBが体面を保持しつつ明言を避け、誤魔化すために立て続けに華麗な文学的な表現をとったというわけです。
 少し違いますが、株価や賃金相場に大きな影響を持つトヨタの豊田章男社長が同様に文学的表現を使っています。昨年度最高益を出したあと、15年3月期の利益予想を横ばいに留め、あえて先行投資に力を入れる、「意志を持った踊り場としたい」といっていました。はしゃぐことなく、気を抜くなのメッセージが強かったと思いますが、その後、秋には円安の進行で、今期も最高益なりそうと上方修正となり、折角の苦心した文学的表現も報われない?結果となってしまいました。影響力のある人は、言葉を選び、表現力も磨かないとならず、大変ということですね。

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