三百八話 だれでも401K
2001年にはじまった、500万人が加入する日本版401K(確定拠出年金)が大きく変わりそうです。大きな改正点は3つ。一つは、401Kには加入のタイプに企業型と個人型とがありますが、現在18万人に留まる個人型に、主婦、公務員、会社員(年金加入)の2700万人が個人型の対象に加わること。二つ目は、個人加入の401Kを勤務先へ移管できるようになること。三つ目は、中小企業のための簡易型401Kができることです。
政府の狙いは、財政が悪化する一方の公的年金を補完する私的年金の拡充というのが建前です。でも、もちろん株価など金融市場への後押しがあり、解散が続く厚生年金基金の受け皿の役目も大きいと思われます。
現行の企業型加入で最も不便な点は、転職や出産などで退職した場合に持ち運べなかったり、手続きが煩雑なことから、掛け捨てになるケースが多発することでした。ここが改正されれば、税的には非常に優遇されている401Kがもっと普及することになるでしょう。これを逆に見ると、政府は転職しやすい環境を整えようとしているともいえます。401Kにさほど関心がなかった中小企業も、人材の獲得のために導入するケースが増えることになりそうです。
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