« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »

2015年7月

2015年7月26日 (日)

二百二十四話 企業年金の規制緩和

 これからマイナンバーやストレスチェック制度など、企業の負荷は増すばかりです。国がすべきところの肩代わりみたいなもので、わずか数パーセント程度の法人税下げと引き換えでは、まったく割が合いません。とくに50名から100名ぐらいまでの中小企業は大変なように思われます。
 そのような中で、多少とも企業のプラスとなる国の施策としては、企業年金制度の改定が示されました。年金とついていますが、実質は退職金制度のことです。ポイントは二点あります。一つは、現状では確定給付などの毎年一定の掛金支払いとなっているものを将来の景気の悪化に備えて、業績の良い年には前倒しで掛金の5割まで積み増し可能にするというものです。これで利回りの悪化などによる、積立不足が起きるのを少しはカバーすることができるようになります。
 もう一つは、新しい企業年金制度の導入です。現在は運用環境によって、会社のリスクが大きい確定給付型と個人のリスクが大きい確定拠出型(401K)の二つしかありませんが、三つめの制度として、その中間をつくろうというものです。つまり、運用は会社が行い、退職金は確定でなく、利回りなどの変動により退職金も変動するというものです。
 二つとも詳細はまだですが、来年度中にも具体化されそうです。一歩前進ですが、また条件がいっぱい付いて、実質使い物にならなくなるのは避けて欲しいものです。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年7月19日 (日)

二百二十三話 100円コーヒーの余波

 マクドナルドが仕掛けた100円コーヒーが、コンビニに拡がり、専門店のカフェの競合はカフェかとばかり思っていたら、突如、思わぬ強大な伏兵が現れたわけです。お蔭で、カフェは業態をセルフからフルサービスへの変更を余儀なくされ、郊外型や本格化・高級化へと展開しつつあります。このようなことは、コーヒー業界のみならず、スキー業界の敵は他のスポーツやアトラクションあるいは娯楽の類ではなく、携帯・スマフォだったのと同じで、あらゆる業界で起こりそうです。厄介な時代になりましたが、見方を変えれば、チャンスもいっぱいということでしょうか。
 ところで、コーヒー協会の方にコンビニの100円コーヒーのことをお聞きしました。すると、意外な答えが返ってきました。「いえいえ、コンビニの100円コーヒーは専門店にとって、逆風ばかりではないのです。今まであまりコーヒーに馴染のなかった若年層にも顧客を拡げた点で、むしろプラスになっているのです。それはデーターできちっと現れています。コンビニは裾野を拡げてくれているのです。」と。なるほど、理屈だけで考えていると、間違いのもとですね。数字など、実際の動きを見ることがやはり大事といことです。

Photo新刊の広告が16日の日経の朝刊4面に載りました。明日香出版社の広告枠の一部と聞いていましたので、一行程度と思っていたら、随分と大きく載せていただきました。書店では、結構、平積みされていますし、力を入れてもらっているようです。ふだん本をあまり読まない人も、一度、開いてさえもらえれば、読んでみようかと思わせる内容と思うのですが。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年7月12日 (日)

二百二十二話 リーダーシップ

 会社は、「人を使える人」を必要としています。リーダーや管理職になれる人を喉から手が出るくらい欲しいのです。そのために、リーダー候補やリーダーになによりもリーダーシップを求めます。でも、リーダーシップは、もともと素養のある人にとっては何ら問題ないことなのですが、苦手な人にとっては高いハードルといえます。そう簡単には身につかない力なのです。
 会社がリーダーシップを求めるのは当然ですし必要なのですが、はじめから求め過ぎるように思います。苦手な人にとっては、いろいろと経験を踏まないと、なかなかハードルを越えられないのです。
 そもそも、リーダーシップがもう一つでも、リーダーの仕事の多くはこなせるのです。リーダーの一番の役割は、チームをまとめることでも、リーダーシップを発揮することでもありません。リーダーの一番の役割は、メンバーの力を使ってチームに課せられた仕事をやり遂げることのはずです。チームをまとめることも、リーダーシップもそのためのもので、目的ではないのです。
 リPhotoーダーは、チームに課せられた仕事をやり遂げるために、常にやり繰りしなければなりません。そのやり繰りの一つが、リーダーシップなのです。したがって、リーダー、リーダー候補に最初に求めるべきものは、「やり繰り」といえます。
 弊著新刊「人を使うのが上手いリーダーのワザ」で書いたことは、この「やり繰り」のための7つの道具(アイテム)です(左上「目次」参照)。7つの道具(アイテム)を使うなかで、リーダーシップも磨かれるはずです。

お蔭様で新刊「人を使うのが上手いリーダーのワザ」の2度目の増刷が決まりました。出版社の営業によると、「リーダー」の類の書籍が数あるなかで、コツコツですが着実に売れているとか。
今回の著作にあたり、とくに注力したのは、尻尾の先まで餡が詰まった鯛焼きのような、最後の頁まで内容のあるノウハウ書にすることでした。この本を
読んで欲しいリーダークラスや候補は、どちらかといえば本を読まない人も多いと思われます。でも、店頭で手に取って開いてもらえれば、「なんだか役に立ちそう」と思ってもらえるのではないでしょうか。まずは開いて欲しいですね。16日(木)日経朝刊で明日香出版社の広告に小さくですが、紹介されます。

 

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年7月 5日 (日)

二百二十一話 派遣法改正

 転々とする派遣法が、9月からまた変わります。今回の改正の要点は三つで、立場によって良否は変わります。企業としては、使いやすく、わかりやすくなりました。
 一つは、人を代えれば、その仕事をずっと派遣社員にあてがって構わなくなる点です。現状では、その仕事が一般業務だと3年で自社の社員に任せるか、派遣社員を直接雇用するしかないわけです。その最初の期限が10月に来ます。当然企業はその仕事に永続性がなさそうと判断すると、10月までに契約打ち切りをするでしょう。直接雇用など民主党が言うようにはまずしませんし、契約打ち切りとなれば派遣元も雇止めをするでしょう。その点では対象の派遣社員も取り敢えずは救済されたことになります。
 二つには、どの業務の人も3年で職場を変えないとならなくなる点です。現状だと、専門26業務は無期限ですので、この方たちにとっては残念な結果となりました。けれども、実際には専門26業務の線引きはグレーな面が多く、現場の混乱も見られ、その点ではわかりやすくなりました。また、専門業務以外の仕事をさせると違法となるのが回避できる点でも、企業にとっては使い勝手がよくなったといえます。
 三つには、派遣会社にとっては制約が厳しくなる点です。3年勤めた派遣社員が企業に雇用されなかった場合、他の派遣先を紹介するか、派遣会社が無期雇用するか努めなければならなくなります。設立も届け出制から許可制にかわり、厚労省が把握しやすく、管理がシビアになると思われます。おそらく、単純業務派遣の零細派遣業者などは淘汰されることになるでしょう。

 派遣法制はこれからも揺らぐことでしょう。無期雇用だけが働き方かどうかが論点ですから。でも、中小企業にとっては、急で見通しの立たないような、派遣にしか任せられない仕事があるから、割高な派遣社員を使うのです。また、人不足の現在、有能な派遣社員なら無期雇用したいのです。景気の見通しが立って、中小企業が元気になれば、当然に雇用が増えます。派遣法問題の解決策はそれしかありません。その点では、現状よりはは一歩前進と思います。

随分と前に人事のお手伝いをさせて頂いた倉敷電子工業の土倉社長に久々にお会いし、楽しいお話をうかがうことができました。また、珍しい綺麗な琉稲嶺ガラスの花瓶(写真右)を頂戴しました。土倉社長は、もう87歳になられ会社はPhoto_2任しているとのことでした__2が、その誠実さと凜とした姿勢は昔のままでした。いつも手本にさせて貰っていますが、自分もあのように歳を重ねることができればと思います。(琉球稲嶺ガラス

 

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »