二百二十四話 企業年金の規制緩和
これからマイナンバーやストレスチェック制度など、企業の負荷は増すばかりです。国がすべきところの肩代わりみたいなもので、わずか数パーセント程度の法人税下げと引き換えでは、まったく割が合いません。とくに50名から100名ぐらいまでの中小企業は大変なように思われます。
そのような中で、多少とも企業のプラスとなる国の施策としては、企業年金制度の改定が示されました。年金とついていますが、実質は退職金制度のことです。ポイントは二点あります。一つは、現状では確定給付などの毎年一定の掛金支払いとなっているものを将来の景気の悪化に備えて、業績の良い年には前倒しで掛金の5割まで積み増し可能にするというものです。これで利回りの悪化などによる、積立不足が起きるのを少しはカバーすることができるようになります。
もう一つは、新しい企業年金制度の導入です。現在は運用環境によって、会社のリスクが大きい確定給付型と個人のリスクが大きい確定拠出型(401K)の二つしかありませんが、三つめの制度として、その中間をつくろうというものです。つまり、運用は会社が行い、退職金は確定でなく、利回りなどの変動により退職金も変動するというものです。
二つとも詳細はまだですが、来年度中にも具体化されそうです。一歩前進ですが、また条件がいっぱい付いて、実質使い物にならなくなるのは避けて欲しいものです。
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