二百二十六話 賃金の世間常識
日経によると、楽天リサーチを使った1000人のアンケート調査で、「給与・賞与合わせた賃金が来年以降も継続して上がるか?」の問いに、「そう思わない」とした答が72.8%でした。賃金制度についても、「右肩上がりの賃金カーブは将来どうなる?」との問いでは、「(正社員は長く勤めるほど)賃金が上がる仕組みが残るが、今より上がらなくなる」が38.9%、「勤続年数では上がらなくなる」が47.2%、「現状並みで続く」と答えた人は9.5%でした。「賃金に差がつく要因で望ましいのは?」の問いには、「仕事の責任の重さ」が77%、「成果や効率の良さ」が74%で、この二つがダントツでした。「勤続年数」と答えた人はこれらの半分程度でした。
90年ごろから始まった成果主義賃金以降、年功の払拭が広まりましたが、われわれの意識は長い間、「昨年よりどれだけ上がったか」のままでした。25年ほどがたって、ようやく「自分の能力や仕事に対して、いくら貰えるのか」という意識に切り替わったといえます。日本人の賃金に対する世間常識は「傾き型」から「水準型」へ、大きく意識転換したわけです。逆にいえば、社会全体が一つの意識転換をはかるのに、25年かかるということをわれわれは覚えておく必要がありそうです。
暑中お見舞い申し上げます。日本中、何とかならないかというくらい猛暑が続いています。今夏はエルニーニョで冷夏という予報はいったい何処へ行ったのでしょうか。少しは気分だけでも涼しくと思い、イラストは神戸港の朝焼けに映るタグボートにしました。今年は時間がなくて、娘に写真の加工を依頼して仕上げたものです。手抜きですね。
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