二百二十五話 リーダーの道具(ツール)
大手は勿論、中小企業も人を使える人材を喉から手が出るくらい必要としています。人を使える人材としての最初のステップがリーダークラスです。通常は実務業務と並行して、一名から数名の人をまとめる役目がプラスされます。会社は実務に長けている人の中から、人の面倒見やトラブル時の対応の良さ、視野の広さなどを判断して、リーダークラスに抜擢するわけです。
そのような人をまとめる仕事はリーダークラスといえども、従来の実務業務の延長線上にはありません。まったく質の違う仕事なのですが、たいていの会社は抜擢された人にその説明をしません。まして、人を使うための道具(ツール)を与えることなどまずしないといえます。
弊著新刊「不安・苦手ゼロ!人を使うのが上手な人のリーダーのワザ」はそのようなリーダークラスのための道具(ツール)になればという思いで書きました。77の項目はそのアイテムとして読んでいただければと思います。したがって、書いてあることは各アイテムの基本の考え方、使い方です。実際の仕事では、各アイテムをその状況に合わせて使わなければなりません。上手い使い方ができるようになるには、それは経験を積むしかないのです。でも、77のアイテムを知って習熟するのと、やみくもにとは言わないまでも、先輩の見よう見まねだけで経験を積むのとでは、結果は自ずと違ってくるといえるでしょう。
このところ、通勤電車で女性が日経を読んでいるのをよく見かけるので、何を読んでいるのかと立ち読みしている30歳くらいの女性の新聞を失礼ながら覗き込んだら、「私の履歴書」でした。先週まで「浅丘ルリ子」を連載していたからです。終盤はゴシップ記事みたいなのも交じっていたように思いますが、前半は大陸から引き揚げて来た苦労話が続き、とても興味深いものでした。それにしても、文章が良くできています。もちろん本人が一人で書いたのではないでしょう。わかりやすくテンポが良いうえに、言い回しが実に浅丘ルリ子らしいのです。このあたりの執筆のプロは凄いですね。とても参考になりました。
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