二百三十三話 働き方と処遇の多様化
スポーツ用品のアルペンの成功にならって、ユニクロが週休3日制を導入し、セブンイレブンがシニア採用と2時間勤務も可能な体制に踏み込んだり、吉野家が残業ゼロの時間制限社員を選択できるようになったり、すかいらーくが65歳定年制にするなど、サービスの現場は人材の確保にあの手この手で動いています。有効求人倍率が販売業で1.5倍前後、サービス業で2.5倍前後ですから、無理もないのですが、労働力人口が減少を続けるわけですから、これらが一時的な措置や一部の企業に終わるとも思われません。
おそらく、これから企業が対処すべきことは、人材の確保のための対策なのですが、一方で働き方や処遇のあり方はもっと多様化するという前提で考えないとならないことでしょう。つまり、自社に相応しい働き方や処遇のあり方をもっと突き詰めて考える必要性に迫られていると思われます。
これまで、採用から退職までの日本の人事制度は、極論すると製造業の制度でした。製造業にフィットした制度がすべてであるかのように、社会全体のコンセンサスとなった感は否めません。それがこれから目に見えて変わってくることでしょう。これからは、成果主義も年功も関係ありません。大切なのは、自社の業態や求める人材に合った働き方や処遇のあり方をはじめとする人事制度といえそうです。柔軟な仕組みでなければならないでしょうが、行きあたりばったりでは、もはや人は来てくれませんし、定着しないでしょう。
今日はお月見ですが、旧暦の8月15日で中国では中秋節、団子ではなく月餅を食べて祝うとのこと。神戸元町の中華街では毎年、獅子舞が出て厄除けの踊りをしてくれます。それにしても中国から日本に来ると、月餅がシンプルな月見団子になり、派手で愛嬌のある獅子舞が日本のシックなそれに。わかりやすい文化がとても複雑なものになってしまいます。やはり日本は独特な国のようです。
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