二百四十二話 非正規社員の活用
厚生労働省の調査によると、非正規社員の割合はおよそ40%に上がっています。そのうち、不本意な非正規の人の割合は昨年で18%、なかでも働き盛りの25~34歳が28%と高くなっています。政府は正社員化を進めていて、転換制度に助成金などを拡充していますが、企業としては足元は忙しくとも見通しの悪い中で慎重にならざる得なく、非正規社員の割合は上がっているのが実情のようです。「短時間正社員」などの受け皿の多様化も広まっていますが、非正規からそのままのスライドでは旨みがありません。ユニクロが週休3日制の導入で人の確保と残業削減の両立をはかったように、工夫が必要というところです。
北欧家具のイケアは約7割がパート社員ですが、精細な職務遂行能力チェック表を作成し、スキルアップと短時間正社員化のセットで、定着と生産性の向上につなげる策を進めています。但し、このようなことは他の会社も考えるのですが、思ったようにいかないのは、転換制度とチェック表をつくっただけで終わってしまうからです。イケアは職場の上司が1対1で面談を実施し、一人につき3回、3~4時間割いて、課題や伸ばして欲しいスキル、目標を話し合っています。パート社員が約2000人ですから、膨大な労力をかけているといえます。単に制度だけでは、やはりレベルアップなどしないのです。イケアが本腰なのは、人不足の対応もあるでしょうが、たぶん事業展開の目論見もあるのでしょう。ネット通販への本格参入などが有力なようです。
写真は阪急梅田のクリスマスツリーですが、集客の目玉となっています。経済が成熟し、モノは溢れ、モノを売るのに、先に体験や感動、時間を売らなくてはならなくなりました。デパートもブランド力があるうちにまず集客というわけです。それにしても、人が多いですね。こちらもその一人で、しかも家内にくっついてブラブラだけなのですが。
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