二百四十六話 完全雇用状態
総務省の発表では、10月の失業率が3.1%です。これは20年ぶりの低い数字で、また12月の日銀短観の雇用判断DIは△21の「不足」となりました。こちらは、92年の6月以来という高い数字です。多くの専門家が、すでに日本は完全雇用状態に入っているといっています。そして、第一生命経済研究所によれば、完全雇用状態により、正社員の賃金圧力がさらに高まるということです。
これまで、たとえば飲食や介護などのサービス業では、コスト上昇分の客単価を上げられず、その分を非正規社員の増加でカバーしてきました。しかし、4割を占める非正規比率からすると、その代替もかなり限界だというのです。そうなると、より正社員の賃金は上がる方向に向かわざるを得なくなりるというわけです。来春は、業績好調の大手の上からの主導とともに、下からの賃上げが本格化するかもしれません。
そうだとすると、中小企業はたいへんです。このことを前提にヒト対策を講じなければならなくなります。自動化、ロボット化、IT化も一段と進むことでしょうし、これからの人事のテーマは、一人当たりの生産性をより高める人事諸策が中心となるに違いありません。現場は、多能化と専門性の両方を深め、バランスさせる必要に迫られます。より、マネジメントに力を入れなければならなくなるでしょう。特に現場リーダークラスの役割が大事になりそうです。
| 固定リンク | 0
コメント