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2016年2月

2016年2月28日 (日)

二百五十五話 同一労働同一賃金④

 米国の職務給は合理的です。労働統計局が96年から全国サラリー調査なるものを実施し、職種別だけでなく、地域別、規模別、職務レベル別の賃金水準指標を毎年、発表しています。これをもとに、自社の〇〇業務に携わっている者の賃金は世間水準と比べてどうかがわかるわけです。職務レベルとは仕事の難易度を評価し、15段階に分類したきめ細かなものです。日本でも役職別の賃金水準資料はありますが、たとえば係長職といっても、責任の度合い、管理範囲の大きさなどさまざまでしょうから、自社の水準のレベルをはかるのにはあまり役に立ちません。それを思えば、米国の指標はかなり実用的なものといえます。
 この指標を利用するのは、企業はもちろんですが、それだけではありません。働く人自身が利用します。職探しの人は当然ですし、社員も同様です。仕事に見合った給与かどうかをはかりますし、自分の給与を上げるにはレベルの高い仕事に就くことを考えるはずです。自社の給与が見劣りしたり、この会社に居てもキャリアアップが望めないとなると、転職を考えるでしょう。当然、雇用は流動化し、伸びている業種に人は集まることになります。会社は堪ったものではないように思われますが、雇用は流動化しているので替わりの人も多いことになります。また、会社も大きい解雇の権利をもっています。
 米国型の職務給を前提とする社会とはこのようなものです。職務給は公正であり、合理的ですが、いわば仕事に値札がついている時価主義の考え方です。そこには高度な技能を何代にもわたって継承するというような発想はないでしょう。見えにくい将来の価値に値段をつけようとしません。また、仕事を改善するのは自分の仕事ではないともいうでしょう。
 さて、日本はどうするべきか。日本も世界標準に合わせるか、或いは日本の強みとして、あくまで人にくっついた賃金に固執するか、難しくて重大な岐路に立たされています。

写真は東京の丸山珈琲にあったスチームパンクという最新鋭の怪しげな装置。下部の金属部分が電磁波で加熱2され豆が蒸気で激しく蒸されて、最後にサイフォンのようにコーヒーが上部に上がって来るらしい。すべて、タブレットでコントロールされ、聞くとまろやかな味になるとのこと。フレンチプレスなら味は豆次第で誰がいれてもあまり変わらないみたいですが、確かにこれだと家庭ではできない。カフェも差別化がたいへんなようだ。
社交ダンス教室の「ダンス夢ファクトリー」さんが、ビギナーコースを新設。45分×5回で10,000円とリーズPhotoナブル。私もほんの少し体験させて頂きました。TVの激しい本格的なのを見ていると、ちょっと敷居が高いイメージでしたが、指導が上手いお蔭でそれなりにできそうかな?と思わせてくれます。姿勢も良くなり結構な運動にもなります。ぜひ、お試しを。お問合せ、ご予約は http://www.dance-yume.co.jp/contact/forms/index/1
日経ビジネスに、三和建設株式会社さんが、Great Place to Work® Institute Japan が実施する2016年版「日本における働きがいのある会社」ランキングに、ベストカンパニーの1社に選出された記事が載っていました。2015年に続き、2年連続の選出となります。カタカナばかりの会社が並ぶ中で、しかもゼネコンや工事関係は見当たりませんから凄いですね。

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2016年2月20日 (土)

二百五十四話 初任給の地域格差

 厚労省の2015年都道府県別初任給データを見ると、大都市圏がやはり高く、なかでも東京が突出し、大卒209.6千円、高卒177.9千円です。地方からすると、大卒もさることながら、高卒の高さに驚くところです。大阪は大卒204.3千円、高卒165.6千円で、東京とは大分開きがありますが、それでも九州あたりからすれば高めです。たとえば、宮崎で大卒178.43千円、高卒146.76千円ですから、大阪の企業が九州へ工場を出そうかとなるわけです。
 その場合に大阪本社と九州工場とで賃金水準に差をつけないとメリットは活かせません。方法は大きく次の三つです。①別会社にする、②別体系にする、③手当でカバーするですが、どれもメリット、デメリットがあり、悩ましいところです。
 大都市圏と地方との格差の理由は、主に企業数と物価によるものですが、物価でいえばとくに住宅費の違いが大きいといえます。したがって、賃金に差があっても地方の生活レベルがとくに低いわけではないのです。最近は地方への異動に抵抗のある人が増えましたが、実態を見ると、地方転勤で愉しんでいる人は結構いるように思います。
 
レゴ・オタクの重機の設計をやっている息子によると、レゴ・ブロックで意外に長期に売れているのが、ニンジャシリーズだそうです。日本ではピンと来ませんが、海外では「ニンジャ」は根強い人気があるようです。そういえPhotoば、最近松竹が海外向けの忍者映画「NINJA THE MONSTER」をこっそり作っていたのが、ひょんなことから明るみになりました。数か国語は話せるがまだ無名だったディーン・フジオカを主演に使ったのですが、NHKの朝ドラの五代友厚役で大ブレイクしたからです。そのお蔭で映画は逆輸入となり、日本公開となりました。グローバル化とははからずも「ニンジャ」がキイワードなのです。
 

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2016年2月14日 (日)

二百五十三話 同一労働同一賃金③

 米国の職務給は、同じ仕事なら同じ賃金という原則が社会に浸透しています。しかも、賃金に差をつけても良い場合の要件が法律で示されています。その要件とは、次の4つ(1)スキル、(2)努力、(3)責任、(4)就労環境における実質的な違いです。「勤続」は習熟の差として明らかなら、(1)スキルの違いとして認められることになりますし、先任権も認められています。ですが、男女、人種、国籍による賃金の格差は違法となります。また、年齢も違法です。同じ仕事なら同じ賃金を払わないとなりません。
 日本でもこのような要件を整備しようというのが政府の考えのようです。そのときに問題となるのが、年齢や家族構成を入れるかどうかでしょう。いわば、生活給的要素を持ち込むかどうかです。議論の焦点はここにあることを頭に入れておくべきです。
 わたしはこの要件がなんであれ整備されれば、ベースは職務給ではなく、職能給で良いと思っています。厳密にいえば、査定昇給を伴う職種別職能給です。将来、世界標準に合わせるために職務給に社会が移行するにしても、社会的にコンセンサスを得た職種別職能給という段階を通過するだろうと考えています。

仕事で京都のお客さんに伺ったついでに、近くにあるチョコレート専門店を覗いてきました。NHKのニュースで紹介されていたからです。カカオは獲れるが、発酵技術のないインドネシアに技術指導し、直接仕入れて販1売していると報じられていました。カカオから自分でチョコレートを作るキットがあるとも出ていましたので、娘にと購入しようと思っていたのですが、バレンタイン前でさすがに売り切れていました。今年はカカオが不作で当面入って来ないとか。それにしても、ここの生チョコはちょっと食べたことのない美味しさでしたね。価格もなかなかなものですが。
関与先の食品商社の社長さんから聞いた話では、品質の良いカカオはベルギーなど欧州に独占されているとのこと。インドネシアのカカオに頑張って欲しいですね。

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2016年2月 7日 (日)

二百五十二話 賃上げ予測

 労務行政研究所によると、主要企業の賃上げ予測は2.12%6,689円です。昨年の結果が厚生労働省の数字で2.38%7,367円ですから、昨年よりやや下がる予測となっています。主要企業の定昇が1.6~1.8%と言われていますから、ベア0.3~0.5%は昨年に続き、立派な数字といえるでしょう。但しこれは、経営側の予測が2.08%、労働側が2.10%と予測値より低く、学識者の予測が高めに引っ張っている結果なので、実際にはもう少し下がる見込みが大です。また、このところの経済情勢からすると、大手の決算の好調な分は賞与へまわり、昇給はさらに下を行く可能性が高くなりそうです。
 中小企業はと言えば、昨年が経団連の数字で1.87%4,702円です。これを大手にならって算定すると、1.6%を割り込むことになりそうです。でも、中小企業は大手以上にバラつきが大きいので、この数字は各社にとって目安程度のものと捉えるべきでしょう。
 但し、もう一つ気になるのは初任給相場です。昨年が高卒163,737円、大卒205,914円ですが、予測では高卒165,100円、大卒207,700円となっています。こちらは、ほぼ予測値通りとなるでしょう。高卒でおよそ1300円、大卒で1700円もの高いアップです。こちらは、大手も中小も土俵は地続きです。土俵に上がらなければ人材確保は難しくなります。この初任給アップは17年度に響いてきます。新卒採用の会社は対応を余儀なくされるでしょう。今から考えておかないとなりません。

飲み仲間で、Photo_2Photoに勤めてられる近所の方が会社に送ったわたしの年賀状を額装してコレクションしてくださっています。こうして見ると、いかにも値打ちがありそうに見えます。有難いですね。また、ワインの1本でも持って行かないと。
 

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