二百五十五話 同一労働同一賃金④
米国の職務給は合理的です。労働統計局が96年から全国サラリー調査なるものを実施し、職種別だけでなく、地域別、規模別、職務レベル別の賃金水準指標を毎年、発表しています。これをもとに、自社の〇〇業務に携わっている者の賃金は世間水準と比べてどうかがわかるわけです。職務レベルとは仕事の難易度を評価し、15段階に分類したきめ細かなものです。日本でも役職別の賃金水準資料はありますが、たとえば係長職といっても、責任の度合い、管理範囲の大きさなどさまざまでしょうから、自社の水準のレベルをはかるのにはあまり役に立ちません。それを思えば、米国の指標はかなり実用的なものといえます。
この指標を利用するのは、企業はもちろんですが、それだけではありません。働く人自身が利用します。職探しの人は当然ですし、社員も同様です。仕事に見合った給与かどうかをはかりますし、自分の給与を上げるにはレベルの高い仕事に就くことを考えるはずです。自社の給与が見劣りしたり、この会社に居てもキャリアアップが望めないとなると、転職を考えるでしょう。当然、雇用は流動化し、伸びている業種に人は集まることになります。会社は堪ったものではないように思われますが、雇用は流動化しているので替わりの人も多いことになります。また、会社も大きい解雇の権利をもっています。
米国型の職務給を前提とする社会とはこのようなものです。職務給は公正であり、合理的ですが、いわば仕事に値札がついている時価主義の考え方です。そこには高度な技能を何代にもわたって継承するというような発想はないでしょう。見えにくい将来の価値に値段をつけようとしません。また、仕事を改善するのは自分の仕事ではないともいうでしょう。
さて、日本はどうするべきか。日本も世界標準に合わせるか、或いは日本の強みとして、あくまで人にくっついた賃金に固執するか、難しくて重大な岐路に立たされています。
写真は東京の丸山珈琲にあったスチームパンクという最新鋭の怪しげな装置。下部の金属部分が電磁波で加熱され豆が蒸気で激しく蒸されて、最後にサイフォンのようにコーヒーが上部に上がって来るらしい。すべて、タブレットでコントロールされ、聞くとまろやかな味になるとのこと。フレンチプレスなら味は豆次第で誰がいれてもあまり変わらないみたいですが、確かにこれだと家庭ではできない。カフェも差別化がたいへんなようだ。
社交ダンス教室の「ダンス夢ファクトリー」さんが、ビギナーコースを新設。45分×5回で10,000円とリーズナブル。私もほんの少し体験させて頂きました。TVの激しい本格的なのを見ていると、ちょっと敷居が高いイメージでしたが、指導が上手いお蔭でそれなりにできそうかな?と思わせてくれます。姿勢も良くなり結構な運動にもなります。ぜひ、お試しを。お問合せ、ご予約は http://www.dance-yume.co.jp/contact/forms/index/1
日経ビジネスに、三和建設株式会社さんが、Great Place to Work® Institute Japan が実施する2016年版「日本における働きがいのある会社」ランキングに、ベストカンパニーの1社に選出された記事が載っていました。2015年に続き、2年連続の選出となります。カタカナばかりの会社が並ぶ中で、しかもゼネコンや工事関係は見当たりませんから凄いですね。
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