二百五十九話 ベア相当
厚労省の主要企業の数字ですと、昨年のベアは0.76%2300円程度と推測できます。今年はまだわかりませんが、現在の推移の6掛けとすると、0.45%1,400円程度の予測ができます。
そんな中、味の素が基本給は変えず、4月1日より1日の所定労働時間7時間35分を20分短縮し7時間15分とします。会社の発表では、これは平均14,000円分のベアになるとしています。労働時間が短縮された分、時間当たりの賃金がアップとなるからです。14000円なら、今年のベア予測値で10年分になる計算で、思い切ったことをしたものです。
仮にこれまで通り働いたとすると、1日20分の残業となり、時間単価が上がった分14000円以上の残業手当が増えることになります。これは当然、会社の望むところではないでしょう。反対に7時間35分で行っていた仕事を7時間15分に短縮できたなら、生産性が4.4%アップしたこととなり、ベアは負担どころか逆にお釣りが返ってくるでしょう。
また、時短のもう一つの狙いは人材の確保でしょう。所定労働時間7時間15分は、人材の獲得にも定着にも差別化をはかれるわけです。新入社員アンケートの「その会社に入りたい理由」で「賃金の高さ」の順位の低さを思えば、効果は明らかと思われます。しかもグローバル化する人材の獲得や女性の登用にさらにプラスとなれば、賢い選択をしたといえそうです。もちろん、これで生産性のアップが伴ってのことですが。
この施策は中小企業にはなかなかマネができそうにありません。でも、もし味の素が思惑通りの成果を上げたなら、業種業態によっては考えてみる値打ちがあるかもしれません。間違いなく、大きな差別化となります。
弊ビル2階の「ダンス夢ファクトリー」代表の岡卓二先生には、わたしどもの会でもダンスの手ほどきをしていただきましたが、そのときに解説された姿勢や動作の基本の理論的な根拠となったのが、栢野忠夫さんの「動く骨」理論です。最新刊の「動く骨-手眼足編」(ベースボールマガジン社)では、岡先生もソーシャルダンスにおける成果を寄稿をされています。ゴルフでも役に立つと太鼓判を押されていました。一読の価値ありです。
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