« 二百六十一話 中小企業の賃上げ実態 | トップページ | 二百六十三話 五月病の季節 »

2016年4月17日 (日)

二百六十二話 新入社員教育の季節

 このたびの熊本地震におきまして、被災されました地域のみなさまに、謹んでお見舞い申し上げます。今なお余震が続いているとのことで、充分にお気をつけくださいますよう。被災されました皆様への救援や支援、復旧が一刻でも早く行われることを心よりお祈り申し上げます。
                    *  *  *

 わたしが人事のコンサルに関わるようになって25年以上経ちますが、中小企業においてかなり定着したことの一つに新人教育があるように思います。とくに新卒において多くの会社で一定の教育研修等がなされるようになりました。中小企業の定着率の低さ(あくまで平均の数字ですが)の要因の一つに、教育制度があると思われますが、その点では改善につながっていると思われます。
 この4月は、わたしどもも関与先等での新人教育の一コマを行ったりで、スケジュールが埋まりがちです。指導に携わって思うことは、近年はどちらかといえば、打たれ弱い新人が多くなったことです。上司が少しきついことを言ったりすると、予想外にダメージが大きく、言った方が逆に戸惑ったりすることがよくあると聞きます。態度に出る人はまだしも、自分で抱え込んでしまい、気がついたときには会社を辞めたいと言い出したりします。上司にすれば、「自分の若い時はもっときつかったんだが」という思いでしょう。
 「今の若い者は」と言ってもはじまりません。でも、そういう人も一通り、仕事、会社、社会がわかってくると変わるのですが、それまでは会社も辛抱で新人を育てないと仕方ありません。中小企業の大半はそれほど人材を選べる状況にはないのです。
 そのような新人への対策の一つは、やはりコミュニケーションです。でも、そんな人にコミュニケーションをとるよう、もっと相談するように言ってもそのようには進みません。やはり、こちらから仕掛ける必要があります。意外に効果があるのは、本人からミスや失敗したこと、怒られたことを聞いてやる機会をつくることです。これも会社が仕掛けないとなかなかできません。

神戸の震災のときを思い出すと、熊本の方々が案じられます。神戸でも本震は勿論凄まじかったのですが、そのあと余震が来るたびに、また大きな揺れになるではないかという不安で動けなくなりました。当時、東灘に住んでいた若手社員に東京出張を命じていて彼は無事だったのですが、二日後に彼の木造アパートを見に行くと2階建ての1階が潰れた状態でした。中にまだ人もいたかも知れませんが、周りも壊滅状態ですし、時々くる余震に身動きできななかったのを覚えています。それを思うと、今回の余震の多さと大きさは想像を絶します。兎に角、早く揺れが終息することを願うばかりです。

関与先からも最近の賃金の動向を聞かれることが多くなり、セミナーを大阪中小企業投資育成さんで20日(水)にするこTとにしました。拙著「人を使うのが上手な人のリーダーのワザ」もすでに12刷となり、記念に配布し、一部テキストにも使います。お蔭でもうほぼ満席のようですが、やはり賃金と人の問題が悩ましくなってきたということでしょう。これから中小企業の賃金・人事は難しい局面を迎えそうです。

| |

« 二百六十一話 中小企業の賃上げ実態 | トップページ | 二百六十三話 五月病の季節 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 二百六十二話 新入社員教育の季節:

« 二百六十一話 中小企業の賃上げ実態 | トップページ | 二百六十三話 五月病の季節 »