二百六十五話 賞与は評価次第
賃金・人事について、この25年の間にすっかり定着したことの一つが、「賞与は会社の業績次第」であり、もう一つが「評価で差がつくのは当たり前」というものです。したがって、社員個人の賞与額を高めるには、自分の評価を上げることと会社の業績が上がることが条件となるわけですが、このことも広く浸透したことの一つです。
賞与を大盤振る舞いできた頃は、支給差もそれほどナーバスになる必要はありませんでしたが、限られた原資で差をつけるには、評価の精度を高める必要が出てきました。
評価の精度とは納得性のことです。納得性を高めるには、三つのことが揃う必要があります。一つは適正な評価基準、二つには適正なジャッジ、三つには適正な説明です。ただし、カリスマ型社長さんが評価して決めれば、この三つはそれほどシビアにすることはありません。社員は悪い評価で金額が下がっても、「しようがない」となるでしょう。
けれども、いつまでもそれでは管理職が育ちません。管理職を管理職たらしめるには、評価をしてもらうのが一番です。ということで、来月あたりから多くなる夏季賞与の人事考課にあわせて、これから考課者研修も増加します。
大手企業は、人事部が主導で定期的に考課者研修を実施しますが、中小企業はなかなかそうもいきません。考課制度を整えたときに行ったきりという会社も多いでしょう。でも、適正な考課を意識してもらうには、考課前に簡単な研修をするだけでもかなり違ってきます。一度に詰め込むより、一回の研修に一テーマくらいのつもりで実施するのが良いでしょう。
5日は神戸東灘の住吉神社のだんじり祭りで宵の日でした。午前に出て行っただんじりが、市中を練り歩き、夜に戻ってきます。毎年、この光景を見ると、震災からよくここまで復興したものだと思わずにはいられなくなりま
す。当時は住吉さんも、鳥居は崩れ、本殿の屋根は落ち、祭りどころではありませんでした。震災前にお稚児さんでだんじりの前を歩いた娘は練り歩いたことも震災もほとんど記憶にないようですが、もはや震災後の世代が祭りの中心になっていることを思えば、祭りを継続する意義は大きいように思います。夜中まで続く祭囃子を聞いていると未来は大丈夫と思えてきます。
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