二百七十六話 解決金のめやす
6月に厚生労働省が「金銭解決に関する統計分析」という、不当解雇等の金銭解決の分析結果を公表し、金額の目安を示したかたちになりました。
企業に解雇された者が不服の申し立てをした場合、労働審判への持ち込みが可能となります。このような場合、実際には職場復帰は心情的に難しくなるケースが多いといえ、金銭解決が現実的な解決策となります。
分析によると、不当解雇の度合いが高くなると、正社員では企業が支払った解決金はおよそ「月収倍率=9.1+0.84×勤続年数」程度となるとしています。また、非正規社員では、案件の6割でおよそ「月収倍率=3.4+0.2×勤続年数」程度としています。
逆に企業による解雇に正当性が高い場合は、解決金は勤続年数に関係なく、月収の2.3ヶ月程度だそうです。
不当解雇が推奨されることはありませんが、実際には職場復帰は本人にも負荷が大きいでしょう。また、審判が長期におよぶことは本人、会社ともに負担となります。金銭解決を前提とする法整備が良いかどうかは別にして、金銭解決は揉めた場合の現実策といえます。双方に共有できる目安の金額があれば、覚悟はしやすくなるでしょう。
出版社からの依頼で、本のリニューアルが2冊決まり、年内の休みは返上の模様です。10年前に出した賃金の本などは、さすがに当時と状況がすっかり変わってしまい、資料のデータもそうですが、ほとんど全部書き直しです。なかなか先が見えません、参りました。
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