二百七十四話 AIとBI
AIというのは人工知能のことですが、このところの急速な進歩は目を見張ります。囲碁で世界最高位といわれる韓国のプロ棋士にグーグルの人工知能AlphaGoが勝ったり、AIによる自動運転が実際に公道を走る段階になったり、複雑な会話ができるロボットが現れたりと、SF映画が現実のレベルになってきました。
今、有識者の間ではAIが進むと近い将来に人がする仕事がなくなるのではと、本気で心配し始めているようです。自ら学習し、考え、判断し、実行するわけですから、いずれ人間ができる仕事はすべてできるようになり、しかも生産性はどんどん高まっていくのですから、そう考えるのが妥当というわけです。
人の仕事がなくなると、どうやって収入を得るかという問題が浮上します。その答えの一つが、収益をあげた企業からの税金を逆に国民に再配分し、最低保証するという話でこれをBI(ベーシック・インカム)というわけです。
BIの世界になると、人手不足の解消という話どころではありません。賃金・人事は不要になるのでしょうか。働かなくなったら、何をするのでしょう。これから、「労働」というものの再定義が話題になっていくに違いありません。
9日に日本人事総研の研修で東北の中尊寺へ。総研が中尊寺の人事に関っているからですが、お寺の人事制度に興味があったのと、こんな機会でもなければ中尊寺までいくこともないので、本の執筆の合間を縫って思い切って行ってきました。教科書でしか見たこともない金色堂と丁度、秘仏のご開帳があり、美しい一字金輪仏を見ることができて、行った甲斐がありました。また、金色堂に安置された藤原三代のミイラを戦後間もないときに調査したフィルム映像を見せて貰いましたが、驚きとしか言いようのない内容でした。藤原氏の栄華と特異な中尊寺信仰と合わせての話は、また別の機会に。
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