二百八十四話 研修サポート①
10月は人事考課と目標設定が重なり、忙しいところが多くなります。それに伴い、わたしどもにも考課者訓練や面接の立会い、目標設定研修などの予定が入ります。会社としては、自社内で訓練や研修が完結するのがのぞましいのですが、なかなかそうはいきません。できない理由が中小企業には大きく3つくらいあります。
一つは、まず研修の時間が取れません。集合型研修は一度に介さねばならず、管理監督者が広く深く実務に携わるために調整がつかないのが実際です。内部ではなかなか調整がつかないために、わたしどものような外部の手を借りて、イベントにしてしまわないと進まないわけです。
二つには、多くの中小企業では内部でレクチャーやファシリテートできる人材がいないのです。実務の指導者は育成できても、人事にまでは手がまわりません。でも、考課や目標設定の疑問点など日常の細かなフォローをするには、やはり内部で人材が育つのが理想です。外部コンサルなどはそのバックアップに使いたいものです。
三つには、そもそも人事の問題というのは会社内でできないことも多いからです。とくに中小企業では距離が近すぎてやりにくいのです。たとえば、「あの人には評価されたくない」という問題は、人事考課の問題ではなく、マネジメント上の信頼関係の問題なのですが、一緒に扱わざるを得なくなるのです。絡み合った糸を内側にいて解くのは難しく、外からのサポートが必要になるわけです。いわば、外部コンサルを使う一番の値打ちかもしれません。
これから人材の確保と定着が難しくなる中で人材を活用していくためには、人事考課と目標管理は増々重要になるでしょう。継続し、PDCAをまわしてレベルアップしていくには、研修もセットで続けることが望まれます。見たい映画が少ないなかで、先日、兄の薦めで見た「THE BEST OFFER]というイタリア映画は秀逸でした。脚本がみごとで、役者が上手く、ディティールが完璧という上に欧州映画ならではの重
厚な雰囲気は好みはありますがお薦めです。ただし、残念なのはその邦題で、「鑑定士・顔のない依頼人」というのはお粗末過ぎるというか、視聴者を甘く見過ぎています。このタイトルでは到底見る気がしません。看板は大事です。
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