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2016年12月 4日 (日)

二百九十二話 セキュラースタグネーション

 先日、日経BP社のセミナーで竹中平蔵さんが世界はセキュラースタグネーション(長期の停滞)に陥っているというのが、著名経済学者の常識になっているといわれてました。そういえば、ノーベル経済学者のクルーグマンも世界中で日本の失われた20年が始まっているといっています。
 竹中さんの話だと、このセキュラースタグネーションから抜け出す処方箋は一つで、貯蓄を投資に振り向けなければならず、したがって二つのことを実施する必要があるとのことです。一つは金利の低下です。つまり、マイナス金利は長く続くと考えておくべきというわけです。もう一つは投資機会を増やす政策です。すなわち、その目玉はインフラの拡充となります。まさに、関空の運用で使ったコンセッションのような公共事業の民間払下げがそうで、まだまだするべきことがあるというわけです。
 但し、これからは第4次産業革命に乗らないとだめだといわれてました。そのキーワードは次の5つだそうです。1)AI、2)ロボット、3)IoT,4)ビッグデータ、5)シェアリングエコノミーですが、日本の現状は〇と?に別れそうです。東京オリンピックの締め切り効果をつかって日本は頭を切り替え、一気に乗れるかどうかというところでしょう。
 「スマホの凄いところは電話と見せかけて、パソコンを持たせたことだ」といったのはホリエモンだそうですが、そのお蔭でビッグデータが蓄積しただけでなく、ユーザー個人がビッグデータで判断できるようになったのがまさしく革命ということでしょう。その素人タクシーが安全かどうか、民泊施設が問題ないかどうか、評価履歴などから判断するのはユーザー個人なわけです。ウーバーやAirbnbだけでなく、「情報を個人が判断し使う」という、日本でもすぐに使えるようなこの分野の新しいビジネスモデルは、まだまだこれから出てくると思われます。

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