三百話 働かない国
ある経営者の方が日本は「働かない国」になってしまったと嘆いてられましたが、確かにそういえる面はあるでしょう。総残業時間規制、有給消化の義務化、有給付与の早期化、インターバル時間制、プレミアムフライデー、長時間労働及び労働時間の適正把握のガイドラインと指導と、政府は矢継ぎ早に労働時間を抑制する法律や政策を繰り出そうとしています。いわば、「そんなに働くな」と受け取れてしまいます。
現在のこのような流れは、電通事件が加速させたことは確かでしょうが、現在の人不足を働き方改革の良い機会と見ていることは間違いありません。でも、たとえば広告のようなクリエイティブの仕事は「これでもか」と高い質を追求する意気込みまで失ってしまってはならないでしょう。社会全体がそんなことになったら、日本は沈没してしまいます。改めるべきは「長時間労働」=「よくやっている」「貢献度が高い」という図式のはずです。
いずれにしても、このような「長時間労働」是正の流れは、雇用と働き方を徐々に変えていくことでしょう。直接の影響では、会社は生産性を上げるか、人員を増やすことを求められます。人不足のなかで、モチベーションを高め、人のやり繰りをしないとなりません。採用だけでなく、雇用の維持が大きな課題となっていくでしょう。また、時間で働く社員から成果を上げる社員を評価する必要性もより増すはずです。
つまり、このような変化はマネジメントのあり方が変わることを意味します。簡単にいえば、増々人を動かせる人が必要となります。これは中小企業には大きな逆風です。現場のマネージャクラスの育成は、喫急の課題といえます。今から、準備をして早くはありません。
明日香出版社のヒット作、ルールシリーズの末席に加えて貰っています自著で2009年に初版を発行した「一人前社員のルール」がリニューアル出版となります。当時は考えられなかった、全員がスマフォというモバイルPCを持つ社会の到来で、社員のネットの対応が会社の命取りになり兼ねない点を増補した改訂版です。3月初旬に発行予定で現在、校正に追われています。表紙も変わりますがまだできていません(写真は初版のもの)。どうぞ、ご期待ください。
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