二百九十八話 定額残業制
日経によると、紳士服のはるやまが1200人を対象に一律月1万5千円の残業代を4月より支払うとしています。1万5千円というのは平均して10時間分の残業代にあたるようで、いわゆる固定残業制ですが、一般には一律〇時間分として時間を設定し、残業代を払う方が多いはずです。それは残業代の削減に主眼を置いているからですが、はるやまの場合は狙いが残業そのものの削減、定時退社にあるからです。残業せず帰社すれば1万5千円の昇給と同じという面を強調しています。
もちろん、どちらの方式も固定の残業時間分をオーバーすれば、その分を支払わないとなりません。でも、時間設定方式ではサービス残業とまでいわないにしても「設定時間分ぎりぎり働いて退社して欲しい」のが会社の思惑としてあるとすれば、はるやまでそのような結果となればこの制度は失敗と見るでしょう。あるいは、残業は減っても業績がダウンしてしまえばやはり失敗のはずです。おそらく、会社は働き方、仕事の仕方にあきらかにムダがあり、各人がその気になれば充分に同じ仕事を時間を短縮してできると見ているのです。つまり、生産性向上の引き金にしたいわけです。
はるやまが思惑通り上手くいくかどうかはこれからですが、長時間労働業種にあげられる、運輸、建設、情報通信、不動産、広告宣伝、飲食サービスなど、同様の方法を真似る会社は出てくるでしょう。できる会社は限られそうですが、検討する価値はありそうです。
つい先日、関与先の社長さんに重要取引先の社員から次のような内容の封書が送られてきたそうです。「弊社の社長に内緒のサプライズで誕生日祝いをしたいので、協力金をお願いします。ついては次の口座に3万円振り込んで欲しい。」というもので、少し不自然に思った社長さんは営業部長を通じてその会社の社員に連絡をとってもらいました。すると、まったくの出鱈目とわかり、詐欺だったことが判明しました。双方の社長についての詳細も正確で取引先との関係も合っていたようで、うっかり騙されてしまってもおかしくない内容だったみたいです。新手の振り込め詐欺ですが、まさか、身近に起きるとはですね。気を付けたいものです。それにしても、そんな知恵と努力をもっと真っ当なことに使えといいたいですね。
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