三百四話 マッチングのビジネスモデル
シェアリング・エコノミーもギグ・エコノミーもそのコアはマッチングの発想です。流行りのApple and Pencilと同じで、〇+△になにを入れるかが鍵です。そこに、ビッグデータやGPS、決済の技術にスマフォというハードなどがくっついて、革命が起ころうとしています。
ニュースで京都のタクシー協会が実験をしていました。利用者が道でタクシーを呼ぶのに、スマフォを使って協会にアクセスし、最も近くにいるタクシーを配車するというものです。協会に加盟のタクシー会社すべてが対象ですから、配車効率のアップ、客数のアップ、客の利便性、協会以外のタクシーとの差別化がはかれます。
客がスマフォでクルマを呼ぶと、配車されるタクシーが画面の地図に表示され、今どこを走っているかがわかり、待ち時間も予測できます。まもなく、実用となるでしょう。それで感心していたら、その先を行っているのが上海です。上海では同様のシステムで、タクシーを呼んだ客がスマフォの画面上でチップを上乗せすると、近くを走っているタクシーが飛ばしてくるというしくみです。チップをはずめばはずむほど、すっ飛んでくるらしいのです。まさになんでもありの国です。日本では真似できません。お蔭で上海では空車のタクシーは走っているのに手を挙げても掴らないそうですが。
マッチングはすでに雇用にも拡がっていますが、これからはパートや契約社員をはじめ、新卒から中途採用まで拡がっていくでしょう。新しい手法がまだまだ出てくるに違いありません。求人の手数料は下がるでしょうが、中小企業においては雇用の定着が心配されるところです。
理系の息子が面白いというので、遅ればせながらですが、「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」を見ました。なるほど名作です。中学生の頃に見たキューブリックの「2001年宇宙の旅」を思い出しました。「インターステラー」の中でマイケル・ケイン演じる老科学者が英国
詩人の黙示的な詩を繰り返します。「穏やかな夜の闇に身を任せるな。老いても終わりゆく日に燃えさかり荒れ狂うべきだ。消えゆく光に向かって、怒れ!怒れ!」と。映画を見終わったときには、物理学の行き着く先は哲学であり、詩情に近いという感慨を持ちましたが、よく考えてみると高齢化がますます加速する日本へのメッセージとするのも悪くない気がします。豊洲問題など、最近の現象も読み解けるのではと思ってみたりです。「怒れ!怒れ!」と。
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