三百八話 働き方改革春闘
昨年の春闘は「格差是正春闘」でした。大手と中小とで賃金水準の格差が縮まりました。今年の春闘は、大手の賃上げが概ね定まりました。大手は足元の業績は良いところが多いものの、先行きの不透明感から、また「働き方改革」の対応から、ほとんどで組合要求を大きく下回っています。リードしたのはいつも通りトヨタですが、トランプ政権の行くへもあり、業績は良いものの組合要求の3000円には至りませんでした。基本給のベア1300円、それに子ども手当増額原資として1100円の合計2400円でしたが、よく考えられた数字と言えます。2400円はリーディング企業としての政府要請には答えましたし、「働き方改革」への配慮も示しました。また、グループ中小組合へは1300円と昨年を下回る数字を見せました。他社や中小はこの1300円の方をベンチマークにベアを検討するわけです。
中小の組合はこれからが本番ですが、おそらく、今年の春闘は全体として「働き方改革春闘」と位置づけされることでしょう。大手は「働き方改革」にベア分が吸収されます。中小は人不足で賃金が上がります。その結果、賃上げ率では大手を中小が上回りそうです。大手が1.9%中くらいに対して中小が後半くらいでしょうか。
中小企業は春闘の数字もそうですが、以降の賃金上昇を見ておかないとならないでしょう。人不足は中途採用の賃金等を思いのほか押し上げています。
先週の金曜日に福岡にて賃金セミナーを行いました。主催者によると、例年の倍以上の集客だそうですが、このところ賃金関係のセミナーは集りが良いそうです。やはり、頭を痛めてられる会社さんが多いようです。今回のセ
ミナーも皆さん随分と熱心に聞いてられました。
わたしの賃金セミナー(主催:公的機関の大阪中小企業投資育成)は4月12日に岡山、4月20日に大阪で行います。他ではあまり聞けない情報に絞って行っておりますので関心のある方は是非どうぞ。
また、10年ぶりに全面改訂する「はじめての賃金管理100問100答」の表紙が出版社から仮であがってきました(左)。4月初旬には発売になんとか漕ぎつけそうです。他にない現状にぴったりの内容と思います。ご期待ください。
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