三百二十六話 最低賃金25円アップ
春闘の賃上は思うように上がらず、物価上昇率は0%代に低迷したままということで、政府は直接介入できる最低賃金を今年も大幅に引き上げます。上げ幅は働き方改革実行計画での労使合意方針の3%ですので、現在の全国平均823円から換算すると25円になります。大阪では最低賃金が全国平均より高い883円ですから、26円上がり、909円となる予定(10月頃)です。
安易なうえに止める者がいないという、この政策は中小企業に最もしわ寄せが来ます。少人数の中小企業では平均すると社員の1割程度が対象者といわれていますから、全体で見ても大変な負担増です。配偶者控除の改革も中途半端、人不足に長時間労働規制もあって、非正規労働者に頼らざるを得ない中小企業は出口なしの状態となっています。
唯一の方法は時間当たり生産性の向上しかないわけですが、直ぐにできるくらいならとっくにやっていると言いたいところでしょう。大手は厄介な部分を下請けにまわせば済むわけですが、それにより生産性の向上の難しい業種がさらに難しくなってきているのが中小企業の現状です。できる対応策はなんでもやるというように人を使う発想を変えないと、乗り切れそうにありません。
夜遅くに帰ってきたら、マンションの入り口でセミが脱皮をしています。玄関の明かりで夜明けと間違えたようです。7年間の土中暮しを経ての一大イベントですから、うっかりというのではちょっと可哀想過ぎます。それにしても、奇妙な姿の幼虫から羽を持った華麗な成虫への変
身のときの感覚はどんなものでしょう。人間には想像がつきませんが、せめてちょっとした快感であって欲しいところです。
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