三百二十三話 ユニリーバの採用制度
今年スタートした来18年春に向けての大卒採用は、中小企業においては厳しい状況のようです。会社説明会なども、昨年とうって変わって集まっていない会社が多いのです。大手企業の影響が一段と大きくなっていると思われます。
LUXやダブ、リプトンなどのブランドを持つユニリーバ・ジャパンが最速だと入社2年前に内定を出す採用制度を始めました。入社時期も4月か9月を選択できます。大学1年次に内定をもらえる可能性があり、すると、内定をもらって海外留学や社会活動への参加も可能になります。また、インターンシップにも力を入れており、採用直結を掲げています。幅広く、優秀な人材を囲い込もうというわけです。
中小企業で同じようなことは難しいでしょうが、このような柔軟な採用制度の発想は中小企業こそ必要でしょう。経団連加盟の大手に中小企業は追随し過ぎな気がします。一つには、大手人材採用・紹介会社に任せ過ぎてしまうことが要因ですが、それは採用に手がまわせない、人事総務に余裕がないのも一因でしょう。営業や生産に人を入れることは考えても、人事総務はめったなことで増やしません。
止むを得ないのですが、これからは採用と定着の優先度を上げないと、取った案件をこなせなく、機会損失が高まることになるでしょう。少なくとも、人事のしくみを採用と定着にシフトするべきといえそうです。
利用するローカル線の車窓に近くの小学校の生徒による願い事を書いた七夕の短冊が貼ってあります。「サッカー選手になりたい」「パテシエになりたい」「AKBになりたい」など、子供らしい内容で、時代を反映しているといえます。その中で気になるものに、「ユーチューバーになりたい」というのがありました。幾つかあるので、これも世相なのでしょう。でも、ちょっと単純には喜べないような感覚はやはりギャップでしょうか。働き手が一人でも欲しい経営者にとって、未来も厳しそうです。
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