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2017年9月

2017年9月25日 (月)

三百三十四話 西の風②

 日本に浸透した職能給は能力を値決めするような賃金であり、能力は人が保有するわけですから、人にくっついた賃金です。能力が上がれば、賃金も上がりますが、仕事に賃金が直接くっついてないので、担当の仕事が変わっても能力が同じなら賃金を変える必要は薄いといえます。お蔭で会社は人材をフレキシブルに使えます。ローテーション、異動など何ら問題ありません。結果、会社の中で人材を長期に育成することが可能となり、就く仕事がかわっても賃金を安定させることができ、会社へのロイヤリティも高める効果をもたらしました。
 この職能給の長所は、「総合職」という他に類を見ない日本独自の発明品によって保障されています。「なんでもする」「どこへでも行く」「長時間労働も厭わない」という、会社にとっては非常に都合の良い「総合職」の特徴が職能給を生んだともいえます。そして、社員は「総合職」とバーターで「終身雇用」「年功型賃金」を手に入れました。また、定期採用、定期昇給、高い比率の賞与などがセットの社会制度として、さらに強固なものとなりました。
 職能給を手放し、世界標準の職務給に切り換えることは、いわば、われわれが常識として思っている日本の雇用・賃金制度そのものを変えてしまうことに他なりません。そして、これら日本の特徴的な制度の恩恵をもっとも享受しているのが、中小企業といえます。なかでも中小製造業の繁栄はこれらの制度なくしては考えにくいと言えるでしょう。われわれはこのことをよく理解しておくべきと思います。(西の風③へつづく)

写真は神戸開港150年記念コンサートのリーフレットです。美人のソプラノ飯田嘉寿子さんが日頃お世話になってPhoto_3おります明日香出版社の石野相談役の同窓生ということで紹介Photo_4いただいたものです。ご興味のある方はぜひどうぞ。

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2017年9月18日 (月)

三百三十二話 ラズパイ

 ラズパイとは英国のラズベリーパイ財団が開発した名刺サイズの小さなコンピューターです。小さいといっても、機能は普通のパソコンと同じで、各種インターフェースをそろえているので、ネPhoto_2ットを通じてスマフォで制御できたり、サーバーとしても使えます。最大の特徴は値段の安さです。最少機能のもので600円程度から、最高機種でも5000円程度なのです。
 これまで、素材や部品の値段が一気に下がったときに、新たに革新的なツールが登場し、その普及によってまた値段が下がるということが起きています。パソコンがそうでしたし、IPhoneのPhoto_3登場がそうでした。ラズパイが日本で販売されたのは昨年ですから、これから様々なことが起こりそうです。すでに似たような機種も他社から色々出ています。
 では、ラズパイでいったい何をするのかということですが、たとえば工場の機械の稼働状況をスマフォに逐一送るというようなことが安価にできてしまうということです。もう、自社工場をIoT化するのに、専門の業者に何千万、何億円とか払ってする時代ではなくなったのかもしれません。
※写真上段:作り方や使い方の書籍が多数出ています。下段:これはラズパイではありませんが、似たような機能を持った書き込み型のユニット。

写真は15日(金)に梅田スカイビル行った弊グループの親睦会の一部です。左上から倉敷電子工業㈱様の会社紹介。土倉社Photo_4長による顔認証よる新しいビジネスの紹介と野村証券を定年退職されてPhoto_7来られた二代目社長の米国の大学でドラッカーの授業を受講していたなどユニークな経歴が面白かったですね。次は㈱松本製作所様と鳥取大ベンチャーの㈱ハイパPhoto_6ーブレイン様のコラボによる、認知症予防のアロマパッチ開発の紹介。松本社長のお話がとてもわかりやすかったです。サンプルのお土産も頂戴しましたPhoto_8。そのあとのメイン講演(写真右)は、国立刀根山病院院長佐古田先生にPhoto_5よる病気のメカニズムの話。最新の研究で、目から鱗の知らないことばかりでした。結論の健康長寿の秘訣は深い睡眠と食事とのことで、生野菜よりも日本料理の野菜の煮物が良いようですよ

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2017年9月11日 (月)

三百三十一話 西の風①

 労働人口が縮小するなかで、経済を維持・発展させるには、人が余っている産業・企業から人を必要としているそれへ、雇用の移動がもっと必要と政府は考えています。働き方改革や同一労働同一賃金、各助成金の拡張は「雇用の流動化」がねらいの一つです。
 日本は日本以外の国と違って、極めて雇用が安定した社会といえます。それは安全、安心、安定につながり、品質重視の風土をつくり、これまでの経済発展の基盤となりました。
 けれども、ここへ来て、この安定した雇用のあり方は次の二つ状況に対して、逆にデメリットが目立つようになってきました。一つは労働人口の急激な減少であり、もう一つは成長産業の変化のスピードの速さです。
 日本以外の国はざっくり言えば職務給社会で、日本より雇用が流動化しています。それに対して日本は職能給社会です。我々は賃金を決めるとき、「○○君は今度、この仕事に就くようになるから給与をこのくらいにしよう」とは考えず、「○○君も随分できるようになった。そろそろ給与をこのくらいにはしてやらないと」と考えるわけです。これを当たり前と考える、我々の習慣はおいそれとは変えられません。
 しかし、これから職務給という西からの風は急速に強まることでしょう。職務給は雇用を流動化させます。そのときに、我々はどう対応すべきかです。つまり、なにを捨てて、なにを残すかです。決断しないとならないときが、間違いなく迫りつつあります。(西の風②へ)

暑さがちょっと戻って来たので気分だけでも涼しげにと、娘が送ってくるような写真を載せておきます。。
今年の夏は酷い暑さでした。特に関西は蒸し暑さが半端ではなく、関東の長雨が羨ましいほどでPhotoした。8月の休みにあまりにも暑いので、久々にかき氷でもと娘に連れられて岡本にあるまったり系カフェへ。昔のいちごシロップとかコンデンスミルクを想定していたら、今のかき氷はとても上品で高級。写真はグランベリーで、果実から搾った果汁のソースがとても美味。それなりの値段ですが、遅く行くと売り切れるようで。偶然ですが、帰りがけに関与先の社長さん夫妻も来られて思わぬところでお会いし、双方驚いておりました。有名店は皆さんよく御存じで。インスタの時代ですね。

 

 

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2017年9月 3日 (日)

三百三十話 今年の親睦会

 今年で23回目となる、弊社グループ関与先様の親睦会が15日に梅田スカイビルで開催の予定です。気候も良くなってきましたし、お蔭様で100名を超すと思われます。
 今年の講演には国立刀根山病院の佐古田院長をお迎えします。最近の研究で人の身体のPhoto_2メカニズムが次々と解ってきているようで、特に先生の専門の脳、脳と各器官の関係など、興味ある最新の情報が聴けるのではないかと思います。「『病気はモノでなく、コトである』と考えると、慢性の病気の治療法の選択肢は格段に拡がる。」、という説得Photo_3力ある持論は、多忙な経営者の方に健康長寿のヒントをくれることでしょう。
 今年の会員紹介は、フィルム加工に特化した技術の㈱松本製作所様Photo_4す。鳥取大学ベンチャー企業 (株)ハイパーブレインさんとのコラボによる認知症予防アロマ・シートのお話を頂けると思います。また、アロマ・シートの試供品をお土産に提供いただきます。寝ながらの認知症予防をお試しください(写真は昼用)。
 それから、第5回での会員紹介で心暖まるお話を頂いた、倉敷電子工業㈱の土倉会長が89歳になられました。今回、わざわざ岡山よりお越し頂けるとのことで、ちょっとご紹介を予定しています。なんでも、最近IOTを取り入れた新規のビジネスもスタートさせたとか。こちらも面白そうです。

JRの豪華寝台列車、トワイライトエキスプレス瑞風(みずかぜ)が時折、大阪駅にチョコ亭します。1室2名25万Photo円からあるようですが、予約が難しく、抽選で30倍とか。ファンによると、「もっと値段を上げろ」とか。成熟経済で消費はモノからコトへで、消費者は感動飢餓状態らしい。高額な値段はそれだけ感動価値を高めるようです。それにしてもカッコイイですね。写真は大阪駅を通過する瑞風。コックさんが手を振ってくれています。

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