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2018年3月

2018年3月28日 (水)

三百六十話 求人倍率

  厚労省発表の有効求人倍率は昨年12月で1.59倍と同月では8年連続で上昇し、バブル期を凌ぐ高さです。有効求人倍率は求職者1人に対して求人件数が幾らあるかという数字で、おおむね毎年4月を底に12月でピークとなります。よって、中途採用をするなら、4月が比較的採りやすいといえます。
 有効求人倍率はハローワークですが、民間ではリクルートキャリアが転職求人倍率を発表していて、こちらも昨年12月は1.92倍と非常に高くなっています。職種別ではインターネット専門職6.45倍、組込・制御ソフトウェア開発エンジニア5.00倍、建設エンジニア4.40倍が上位ベスト3で、やはり好景気業種のコア職種です。逆に採用しやすい倍率下位職種は、オフィスワーク事務職0.44倍、総務・広報0.89倍などとなっていて、いわゆる一般事務系はまだまだ採りやすいと思われます。
 全体で、これだけ求人倍率が高くなると賃金も上がらざるを得ないでしょう。定期昇給以外の賃金アップにも注意が必要になってきました。

TVにプロ野球の手作りバットの職人が出ていて、取材の「どういったところにこだわって、バット作りをしているのですか?」の質問に次のように答えていました。「わたしのこだわりをバット作りに入れることはありません。その選手に本当に合ったバットをいかに作るかだけです。いわば、こだわりを入れないのが、わたしのこだわりです。」
 人事制度も同じことが言えます。その会社にフィットした制度をいかにつくるかです。コンサルのこだわりを入れると、それはコンサルの制度になってしまいます。わたしどもの人事制度づくりも、こだわりを入れないのがわたしどものこだわりといえるのですが、バットは手に持って振ることができるけれども、人事制度は見えにくいし、わかるのに時間がかかります。そこを伝えるのが難しいですね。

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2018年3月21日 (水)

三百五十九話 日本版オーネット①

 働き方改革の一環で昨年末に提出された厚労省の未来投資会議の資料には、日本版O-NETの開設に触れています。「これから労働市場に参入する学生、仕事を探している労働者等が、適職を見つけるため、職業に関する情報(仕事内容、求められる知識、能力、技術、職業の将来展望、平均年収など)を総合的に提供する「日本版O-NET」の整備が重要」と。
 O-NETは米国で2003年から始まった職業紹介サイトです。もともと職務給社会の米国では非常にきめ細かな地域別仕事別熟練度別規模別の賃金サイトがあり、さらにO-NETで「どの地域でどのような職業でどのくらいのスキルで給与は幾らくらい欲しいか」また「その職業の将来性はどうか」などの転職情報を提供するようになったわけです。米国は完全に雇用の流動化を前提とした社会なのです。
 日本政府の方針も、「人口が縮小する中で経済を活性化するためには衰退産業から成長産業へ雇用が必要で、流動化は避けて通れない」というわけで、流動化の推進策を今後も充実させようとしています。長期的にはまったく正しいと思いますが、短期的には中小企業にとって非常に厳しい環境になるといわざるを得ません。
 「日本版O-NET」は20年頃の稼動を目指しています。今でも大変な売り手市場ですが、さらに拍車がかかるのは目に見えています。中小企業はより一層、流動化に備えないとなりません。

「ダンケルク」(写真はAmazonn)は第2次大戦、独軍によって仏の海岸ダンケルPhoto_3クに追いつめられた英軍を民間の船などが救出に向かう英国の気概を描いた映画です。ダンケルクに向かう頭上のスピットファイアを同じく救出に向かう本当に小さな船の船長が息子の「あの飛行機は帰って来れるのか」の問いに誇らしげに次のように答えます。「必ず帰ってくる。スピットファイアはロールスロイスのエンジンだからな。」と。ロシアのスパイ暗殺事件で騒がれていますが、ときどき英国は世界を驚かす気概を見せてくれます。

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2018年3月14日 (水)

三百五十八話 職種確約採用

 パナソニックは19年度の新卒採用枠を18年度より100人多い900人とし、あらたに就く職種を確約するコースを設けます。今回は文系の経営経理と法務知財の2コースで、専門性の高い優秀な人材の獲得が狙いと思われます。これまでにも、職種別採用は技術系ではありましたが、大手で文系は初めてかもしれません。これは、「何でもする」、「何処へでも行く」という従来の総合職に対するもので、処遇は総合職と同等なうえに職種を限定する点で、最近よく聞かれるパートさんなどの無期雇用化の受け皿としての職務限定職などとは異なるといえます。職種確約コースは、職種間ローテションや異動とは無縁になりますが、地域間異動はあるかもしれません。それでも、入社直後にいろいろな部署をまわる配属もないでしょうから、専門的に極めたい人には魅力と思われます。中小企業にはマネはできませんが、これから仕事限定型採用は増えてくるでしょう。それでも総合職がなくなることはないはずです。逆に総合職の価値が問われることになると思われます。

この時季になると、昨年リニューアルした写真の「一人前社員の新ルール」がよく出ます。書店が新人向け等に並べてくれるからですが、出版社の話によると、新卒採用向Iけに定期的に大量購入してくれる会社があるとか。有り難いことです。
わたしも新人研修等を頼まれたりすると、この本のルール14の「相談グセをつける」は必ず説明する一つです。新人の定着にプラスになると思っているからですが、最近は相談できない新卒社員が本当に増えたように思います。

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2018年3月 7日 (水)

三百五十七話 神戸港の貿易額

 昨年は神戸港の開港150周年で大型客船が多数入港したり、イベントが続きましたが、数日Photo前に昨年1年間の貿易額をNHKのニュースでとりあげていました。それによると、輸出入ともに前年比10%以上の伸びで、平成に入ってからでは3番めの高い水準となりました。
 具体的な品目では、米国向けのリチウムイオン・バッテリーが挙がっていましたが、通関業の会社に聞くと、パナソニックからの輸出でテスラ向けだろうとのことでした。パナソニックは車載電池では16.5%とシェアNo.1で、トヨタとも提携を発表しましたから心強いかぎりです。ただ、肝心のテスラが量産型車種で手こずっており、バッテリーは一般電力の蓄電池向けに流用されているとかの噂もあり、いつまで続くかは心配なところです。
 この神戸港の貿易額は神戸税関の数字です。あまり知られていないのですが、神戸税関の管轄区域は非常に広く、兵庫県と山口県を除く中国地方全域および四国全域です。その地域の輸出入は神戸税関を通さないとならないのです。昨年は神戸税関と大阪税関の貿易額はほぼ同じで、神戸の管轄区域が頑張ったいえます。このまま神戸、大阪が伸びて、東京五輪のあとは関西勢が盛り上げてほしいものです。

東京から家内の友人が来たので、この休みは天候も良く、鳴門の渦潮へ。50年ぶりくらいかもしれません。写真は渦を前に対面で大きくターンを切る、客Photo_2を満載した淡路島からの帆船風観光船。タイミングよく大潮の満潮時でもあって、大きく傾いた船はまるでパイレーツ・オブ・カリビアンの光景。イイ写真が撮れました。

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