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2018年10月

2018年10月25日 (木)

三百八十八話 外国人雇用

 国の方針はこれまで、外国人の雇用受け入れについては高度技能者限定にはじまり、特定業種に限って単純労働者も認める方向で、極めてわずかずつ拡げてきました。但し、永住権に関してはほとんど認めていませんでした。理由は、景気の良いときは労働力として必要だが、悪くなっても帰国しないと日本人の雇用を脅かす、治安が悪くなるというものです。実際に他国ではそのようなことが起こり、問題となっていますし、日本でもバブル時に大量に雇用した南米人などがバブル崩壊後にあぶれ、定住したしまったことを政府は失策としてきました。
 けれども、この急激な人不足から国の外国人雇用政策はここへ来て、大きく舵を切りそうです。来年4月に入国管理局は庁(出入国在留管理庁)に格上げとなり、人員を大幅に増やします。また、年内には新たな在留資格の案が示されるでしょう。
 労働組合を代弁する野党は外国人雇用拡大にはもちろん基本、反対です。政府は70歳への継続雇用延長などと合わせて、国会提出となりそうです。

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2018年10月18日 (木)

三百八十七話 企業の賃金カーブ

 現在、65歳以上の高齢者はおよそ3500万人です。同じく、正社員の人数はおよそ3500万人で、拮抗しています。正社員の中には高齢者も含まれていますが、超高齢化社会を従来型の正社員で支えるのはやはり無理がありそうです。正社員の定義を変え、膨らませないとならないので、政府は短時間正社員など、非正規や女性・高齢者の正社員化をしてきました。よって、労働人口の減少をやわらげてはいますが、これからは、さらに65歳以上に働いて貰わないと、もたないのは明らかです。
 雇用年齢を伸ばすのは止むを得ないものの、企業の負担はたいへんいなります。現状でも企業は55歳の賃金ピーク時点の金額を上げていません。初任給や若年層がこのところのベアや最低賃金で上がっているものの、ピーク賃金は据え置きなために、40歳を過ぎると昇給は寝てしまっています。これでは、将来に夢が持てません。さらに継続雇用が70歳までにでもなれば、55歳から70歳まで横這いの賃金が続くことになります。
 もはや、18歳から70歳までの賃金カーブを一つの会社が持つのは無理があると言わざるを得ないでしょう。日本の雇用システムと賃金制度はこれから大きく変わって行きます。

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2018年10月10日 (水)

三百八十六話 有休義務化

 働き方改革法案の一環で来年4月より、有給休暇5日の時季指定の義務化がスタートします。中小企業も延長や特例はありません。実際には10日以上の有休がある者に各人の基準日から1年以内に5日については時季を指定して取らすようになります。5日以上取れないと、30万円以下の罰則もあるようですので、日本企業の有休取得は進むと思われます。
 対応方法としては、計画付与を厚労省も推奨しています。先に有休消化日を決めてしまうものです。
 中小企業が厄介なのは、中途採用比率が高い会社が多く、個別に基準日を設定している点です。各人の基準日から1年で5日以上の義務ですから、管理がたいへんいなりますし、計画付与も一斉付与が難しくなります。
 人不足、コスト、管理の面から、人手に頼る中小企業には逆風が続きます。日本の雇用問題に手を打たないとならないのは確かですが、やりやすいところから手掛ける政府の手法は、そのしわ寄せが中小企業にのしかかっています。

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2018年10月 2日 (火)

三百八十五話 給与前払いサービス

 給与前払いサービスとは、働いた分の給与を給料日を待たずに現金を受け取れるサービスのことです。非正規社員などの離職率の改善や人材の確保に効果があるようで、パート・バイトなどの確保に悩む会社等を中心にジワリと拡がりつつあります。
 サービス会社が給与を立て替える、企業がサービス会社に資金をプールする、企業が社内融資の形をとるなど、サービスの形態には幾つかのパターンがあるようですが、業者が立て替えると「貸付」にあたるので、無登録の貸金業者は違法になる可能性があります。
 それにしても、意外な新しい商売が出てくるものです。企業の頭痛のタネは新たなサービスや商品のネタになります。人不足も例外ではありません。

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