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2018年11月

2018年11月26日 (月)

三百九十二話 社員が辞めない会社

 神戸元町の中華街で行列ができる有名な豚饅店といえば、豚饅発祥の店「老祥記」ですが、ここは社員が20名ほどいて、辞めないことでも有名です。飲食店といえば、だいたい定着が悪く、常に求人を出しているのが当たり前、というのが普通ですが、「老祥記」はほとんど辞めずに定年までいるのです。仕事が楽かといえば、そうでもなく、TVで放映されていたのを見ると、力仕事も多くて結構ハードなようです。
 では、なぜ定着が良いかと言えば、給料が良いのです。初任給は平均水準ですが、そこから年10%昇給します。役職者になると、年収で1000万円以上になるといいますから、辞めないのです。業界他社でそんなに出すところは、まずないでしょう。定昇10%の年功制というわけですが、世代構成がバラついていれば、昇給原資は一定になり、予定が立ちます。でも、やはり業績が安定して伴ってこそです。なかなか真似はできません。

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2018年11月19日 (月)

三百九十一話 高年齢者の雇用状況調査

 先日発表された厚労省の「高年齢者の雇用状況調査」(約16万社のデータ)を見ると、70歳以上まで働ける企業が、40,515社(25.8%)で、およそ4社に1社が70歳以上まで働けるしくみがあるとしています。いよいよ、70歳継続雇用の延長が視野に入ってきました。
 この調査では、31人~300人までの中小企業(約14万社)とそれ以上を大企業として分けていて、どの項目を見ても、中小企業が圧倒的に高齢者雇用に積極的です。
 上述の70歳以上働ける企業は中小企業で37,232社(26.5%)ですが、大企業だと2,497社(15.4%)ですし、定年制の廃止企業は中小が3,983社(2.8%)あり、大企業の81社(0.5%)を大幅に上回っています。65歳以上の定年制の企業は中小が25,155社(18.0%)で、大企業の1,437社(8.9%)の比ではありません。
 中小企業で高年齢者雇用が進んでいるのは、一つは人が採れない状況で止むを得ないからですし、もう一つは技能が必要だからです。いずれにせよ、雇用戦略において大企業との差別化がはかれていたわけですが、70歳雇用が義務化されれば、それもできなくなります。中小企業の雇用はさらに難しく、厳しくなりそうです。

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2018年11月12日 (月)

三百九十話 文章力

 営業などでも、話すのは得意だけれども、書くのはちょっと苦手という人は結構いるようです。自分の考えや情報を相手に伝えるのに「話す」「書く」はどうしても必要です。とくに営業などはそういえます。でも、得意な方を伸ばせば良く、得意な方を活用すれば良いのです。ただし、どちらも最低限のスキルは身につけておくべきといえます。よって、まずは「書く力」の基本を会社で学ぶ機会を与えるべきと思います。
 会社で身につけないとならない「書く力」は、ビジネス文章のスキルです。しかも、ポイントは3つしかありません。一つは、はじめにこれから「なに」を説明するかについて書くこと。二つ目は、だらだら長い文章を書かないで短く区切ること。三つ目は、結論を先に書くことです。これだけですから、間違いなく誰もが身につけることができますし、この三つのポイントを身につけると、仕事ができるレベルも格段に上がります。
 大手企業などは昇格のための試験をしますが、関与先でも昇格の区切りとしてレポートを提出させたりしているところは結構あります。ビジネス文章の三つのポイントを身につけさせる良い機会といえます。

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2018年11月 5日 (月)

三百八十九話 40歳定年制

 東大の柳川範之教授等が提唱する40歳定年制も70歳現役が視野に入ってきた現在、現実味を帯びてきました。もちろん、現状では60歳未満の定年制は認められていませんし、法制度が成立するとも思えませんが、実質40歳定年制をとる企業がこれから出て来そうな気がします。新卒から70歳まで一つの会社に勤める、或いは一つの会社が雇用を保証するという社会的コンセンサスは、今後はマイナス面が大きくなっていくでしょう。暗黙の了解としての長期雇用は、多くのものづくり製造業には適したシステムでしたが、すべての会社に当てはめるのにはやはり無理があります。
 現在でも、実質40歳定年制を実施している有名な企業はリクルートです。38歳くらいで、退職金が最大になり、残るか転職や起業するかを迫られます。実際、リクルート出身者が起業し、儲けているスタートアップ企業は多いのです。
 これからは有能な人材を採用するなどの目的で差別化をはかるために、実質40歳定年制を導入する中小企業も出てくるでしょう。その場合、賃金を従来の長期S字カーブではなく、35~40歳くらいをピークに山型に入社後数年後からぐっと高くできるような業種、業態にこそ向いていると思われます。

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