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2019年5月20日 (月)

四百十三話 令和の人事②

 日本社会の人事の大きな枠組みが崩れるということは、われわれが当たり前と思っている、雇用や賃金の常識が変わってしまうことといえます。強固な枠組みの一角としての「定期採用」が「通年採用」になると、「職能給」から「職務給」へ、「就社」から「就職」、「総合職」から「専門職」へとドミノ倒しのように枠組みを構成する人事のアイテムが入れ替わっていくことでしょう。但し、「定期採用」から「通年採用」が浸透するのは、おそらく時間が掛かるはずです。「定期採用」にも大きなメリットがあり、労働組合も一定の比率を要求するでしょうから、最初の浸透はかなり遅いと思われます。これまでの人事の例からすると、ゆっくりとある程度までゆっくり進み、ある時点で一気に拡がるでしょう。
 いずれにしても、人事の枠組みが変わることは、中小企業にとっては逆風が増すことに他なりません。たとえば「通年採用」といっても、中小企業はもともと「通年採用」であり、その市場に大手が乱入してくるようなものだからです。他のアイテムもしかりです。これまでの人事の枠組みで日本の中小企業は反映したともいえるでしょう。とくにものづくり中小にとってはそうだったといえます。
 変化がわかっているのに対処しない手はありません。しかも、まだ時間があります。まずは、何が起こるかを理解し、変えるべきものと変えないものとを検討すべきです。

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