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2019年9月 6日 (金)

四百二十七話 副業の矛盾

 パーソル研究所の調査(5月)では、「副業を全面的に認める」「条件付きで認める」を合わせて副業を認める会社は50%、残り50%は「認めない」という結果で、認めない会社の7割は「今後も認めることはない」としています。また、最新のエン・ジャパンの社員調査では「副業を希望している」人への「希望する理由」としてダントツだったのが「収入を増やしたい」でした。
 副業は政府が推奨していて、就業規則も副業を認めるモデル見本を提示しています。多様な働き方の一環ということですが、現実には働き方改革で残業が減った分を副業で稼ぐというのが本当のところです。つまり、「働き過ぎ」と「副業の推奨」とは矛盾するわけです。
 また、現行の法制は副業の時間について、本業と副業の会社で通算することになっています。つまり、1日8時間超えれば、超えた方の会社で割増を付けないとなりません。会社は「知らなかった」は通らないことになっています。本人が副業をしていたと言って、未払い残業代を請求すれば、払わざるを得ないような、会社にとっては恐ろしい状態と言えます。厚労省で副業における時間管理の問題など検討会もされていますが、結論は出ていません。時間管理を会社ごとに分けるなどの法改正は、とうぜん労働サイドは過労の問題を盾に反対なのです。つまり、実態も知らず、何も整っていないところで、副業の推奨をはかったのはとんでもないとしか言いようがありません。
 政治家は素人ですから兎も角、厚労省はどうなっているのでしょう。大丈夫でしょうか。

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