« 2019年12月 | トップページ | 2020年2月 »

2020年1月

2020年1月27日 (月)

四百三十七話 中途採用比率

 来年4月より、301人以上企業の正社員に占める中途採用比率の公表が義務付けられます。政府はとくに新卒一括採用比率の高い大企業をターゲットに、就職希望者が中途採用に前向きな企業を把握できるようにしたいと言っています。もちろん、新卒一括採用一辺倒から中途採用の割合を高め、硬直した日本の雇用制度を崩すのが狙いと思われます。
 大手の中途採用比率はこの10年で伸びています。例えば自動車メーカーで見ると、2009年で6%程度だったのが2016年には29%に上がっています。直近17年のリクルートワークスのデータでは産業全体で、5000人以上企業で37.4%です。但し、2016年も37.8%とかわらず、頭打ちの状態なのです。そこで、今回の公表義務化となったのでしょう。
 ちなみに、同調査17年の5~299人規模の中途採用比率は76.7%です。中小企業は中途採用頼みなのです。大手が中途採用にさらに手を広げ始めると賃金相場も上がり、中小の人材採用はさらに厳しくなります。頭の痛い限りです。

| | コメント (0)

2020年1月20日 (月)

四百三十六話 ジョブ型社員

 経団連の中西会長が「日本も、もう少し、ジョブ型社員を増やすべきだ。」というような発言をしています。確かに、「ジョブ型社員」はこれから当面の間、雇用、人事制度のキーワードとなるでしょう。
 「ジョブ型社員」とは、限定された職務をこなす、専門職、契約色の強い正社員のイメージで、そもそも日本以外は「ジョブ型社員」が中心です。それに対して、日本の雇用形態の中心は「総合職社員」です。大手はグローバルな社員の取り込み、優秀な専門技術職社員の採用・定着にこれまでの「総合職社員」では限界を感じています。よって、冒頭の経団連会長の発言となったわけです。
 では、「ジョブ型社員」を増やせばよいというわけですが、現在の「総合職社員」中心の雇用システムは、一括型定期採用、定期昇給、終身雇用などとセットなのです。つまり、「ジョブ型社員」を増やすということは、このような人事慣行が崩れることを意味します。そのような変化に大手は兎も角、中小企業はどう対応すべきかです。
 欧米の「ジョブ型社員」中心の企業とは、いわば全員が契約社員のようなものですが、中小企業はそのようなことができるでしょうか。適している職種もあるでしょうが、大半は難しいと言わざるを得ないでしょう。日本の発明品「総合職社員」は中小企業にとってはとても有り難い、理に適ったシステムといえます。容易に手放す手はないように思うのですが。

| | コメント (0)

2020年1月11日 (土)

四百三十五話 賃金請求権の時効

  この4月の民法改正で時効が一律に5年になるのを受けて、厚労省の労政審で議論されていた賃金の請求権の時効が、現行の2年から当面は3年で固まりました。労働側の民法に合わせて5年にすべき主張に、経営側が管理負担などが重過ぎる等の主張で折り合っていませんでしたが、間を取ったかたちで決着しました。5年後に時効5年を再検討とのことです。
 中小企業にとっては、3年間の過去資料の管理はかなりの負担増です。また、未払い賃金の3年遡り支給も、実際にはまだまだグレーな運用が多い中で要注意です。なにか出てくれば、会社の存続にかかわりかねません。
 ただし、有給休暇の現行2年遡りの権利は、延ばすと権利の執行が逆に遅れかねないとの理由から、そのままとなりました。5日の義務化で苦労しているところに、これ以上休みが増えたら、中小企業はやっていけない会社が続出となったでしょう。こちらは常識的におさまりました。

| | コメント (0)

2020年1月 1日 (水)

四百三十四話 ハローワーク求人

新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

 1月6日よりハローワークの求人求職サービスが大きく変わります。求職者にとっては、ハローワークに行かなくてもスマフォで確認できるようになるなど、マッチング機能が充実します。民間の求職サービスがどんどん進化する中、ようやくといった感がありますが、便利になることは間違いありません。
 求人の企業の側も大きく変わり、会社の紹介が詳細にできるようになり、マイページができて事業所や扱い商品などを見せられるようになったり、求職者との遣り取りも可能になります。これらは、より会社を知ってもらう点では明らかにプラスですが、その分、企業の差が大きく出ることは間違いないでしょう。
 求人票の記入項目にも、固定残業制、復職制度、36協定特別条項などの有無の記載も必要となります。そのなかに職務給制度の有無が加わりました。これは4月からの同一労働同一賃金法制に合わせてのことでしょうが、まだ認知度の低い職務給を広める狙いもありそうです。人材の流動化はさらに進むことでしょう。
 企業にとっては、ますます人事制度の充実がより   差別化にダイレクトにつながる時代になってきました。

🎤 暖かで穏やかな年の初めです。今年はオリンピックで景気も持ちこたえてくれそうです。リスク要因は沢山ありますが、日本の強みである品質・納期・コストのセットでは大手か2020 ら中小までまだ競争力があり、何か起きても一定レベルの下支えをしてくれそうです。でも、大海へ船を出さないとなりません。日本の強みを落とすことなく、変化に対応するチャレンジが求められています。鍵は間違いなく、雇用制度、人事制度です。今年はその方向がはっきりしそうです。

| | コメント (0)

« 2019年12月 | トップページ | 2020年2月 »