四百三十六話 ジョブ型社員
経団連の中西会長が「日本も、もう少し、ジョブ型社員を増やすべきだ。」というような発言をしています。確かに、「ジョブ型社員」はこれから当面の間、雇用、人事制度のキーワードとなるでしょう。
「ジョブ型社員」とは、限定された職務をこなす、専門職、契約色の強い正社員のイメージで、そもそも日本以外は「ジョブ型社員」が中心です。それに対して、日本の雇用形態の中心は「総合職社員」です。大手はグローバルな社員の取り込み、優秀な専門技術職社員の採用・定着にこれまでの「総合職社員」では限界を感じています。よって、冒頭の経団連会長の発言となったわけです。
では、「ジョブ型社員」を増やせばよいというわけですが、現在の「総合職社員」中心の雇用システムは、一括型定期採用、定期昇給、終身雇用などとセットなのです。つまり、「ジョブ型社員」を増やすということは、このような人事慣行が崩れることを意味します。そのような変化に大手は兎も角、中小企業はどう対応すべきかです。
欧米の「ジョブ型社員」中心の企業とは、いわば全員が契約社員のようなものですが、中小企業はそのようなことができるでしょうか。適している職種もあるでしょうが、大半は難しいと言わざるを得ないでしょう。日本の発明品「総合職社員」は中小企業にとってはとても有り難い、理に適ったシステムといえます。容易に手放す手はないように思うのですが。
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