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2020年6月

2020年6月23日 (火)

四百四十八話 人事に及ぼすコロナの影響④

 コロナ禍で時差出勤、短時間・短日数勤務、ローテーション、テレワーク等をせざる得なくなりました。多くの会社は緊急対応ということで、試行錯誤をしながら取り入れています。緊急時のやむを得ない状況でのことですから、多少の不備や問題があっても、社員も「仕方ない」とある程度は納得してくれています。それよりも、自身の感染予防がひとまず第一という状況なのでしょう。
 けれども、そのようないっときの事と思っていた状況が長期化し、コロナ禍も少し落ち着きはじめると、イレギュラーな勤務形態の不明な点や取り決めていなかった事項がにわかに問題となって来たりします。多くは、不公平感や損をしているのではという懸念からです。たとえば、週の勤務日数が人によって異なるとか、テレワークの電気代はどちらが負担するのかなど、細かいですが社員にとっては現実的なことです。
 そこで、取りあえずは説明がつくよう、原則的なことだけでも規程化しておこうということになります。よって、これまであまり規程を重視しなかった会社も短時間勤務規程や短時間正社員規程、テレワーク規程などの規程類の整備をあわててするところがこれから増えて来るでしょう。新しい常態化に向けてまずは制度整備からとなります。

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2020年6月16日 (火)

四百四十七話 人事に及ぼすコロナの影響③

  コロナ禍は企業間の業績の格差、体力の格差を拡げていますが、勝組には有能な人材確保のチャンスとなっています。じっくり選別できるまたとない機会が来たと考えていることでしょう。また、企業格差はM&Aを推進させそうです。現在はコロナ禍以前のM&Aは中断しているケースが多いのですが、落ち着いてくれば、中小企業間でも活発になり、さらに格差を大きくすることになりそうです。様々な業種で業界再編の声が聞かれることでしょう。
 中小企業におけるM&Aの進展は、とりわけ人事に関していえば、中小企業の弱点を炙り出すことになると思われます。それはマネジメントできる人材の不足です。吸収した会社をグループ会社として統治するにしても、一部門とするにしても、「方針を示し任せてチェックすること」と「進捗と成果及び課題を正確に報告する」というマネジメントの基本スキルが必要となりますが、その人材が育っていない、そのような人材を輩出できる土壌になっていない会社が多いのが実情です。いわば組織で仕事をまわすことに取り組んでこなかった宿題がでてきたことになります。マネジメントできる人材の差で、さらに企業の差がつくことになることでしょう。
 中小企業においても、目標管理を導入している会社が増えましたが、上述のような「マネジメントの基本」に焦点を当てて運用している会社はそれほど多くはないでしょう。目標管理が形骸化している会社は、見直す良い機会かもしれません。

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2020年6月 2日 (火)

四百四十六話 人事におよぼすコロナの影響②

 帝国データバンクの4月下旬の調査によると、近畿の企業で「正社員が不足」の回答が27.0%あり、前年同月の48.4%から大幅な減少としています。人不足ではあるものの、コロナ禍の影響でかなり緩んできたことは確かなようです。ただし、このまま収束していけば、人不足の緩みは一時的なものでまた元に戻りそうです。
 また、東京商工会議所の中小企業を対象とした同時期の来年度新卒採用調査によると、エントリーシートの受付時期を8月以降に延ばすところが約3割あり、採用スケジュルールの先延ばしが見られます。ただし、活動の見直しはするものの、97.8%の会社が採用活動を継続するとしていて、新卒の採用意欲は衰えていません。採用人数についても、66.2%の会社が計画変更なしとしています。
 どうも中小企業にとって、採用環境は売り手市場が相変わらず続きそうですが、この機会に人材を確保したい会社にとっては、どうやらこの夏くらいまでが大きなチャンスといえそうです。

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