四百四十七話 人事に及ぼすコロナの影響③
コロナ禍は企業間の業績の格差、体力の格差を拡げていますが、勝組には有能な人材確保のチャンスとなっています。じっくり選別できるまたとない機会が来たと考えていることでしょう。また、企業格差はM&Aを推進させそうです。現在はコロナ禍以前のM&Aは中断しているケースが多いのですが、落ち着いてくれば、中小企業間でも活発になり、さらに格差を大きくすることになりそうです。様々な業種で業界再編の声が聞かれることでしょう。
中小企業におけるM&Aの進展は、とりわけ人事に関していえば、中小企業の弱点を炙り出すことになると思われます。それはマネジメントできる人材の不足です。吸収した会社をグループ会社として統治するにしても、一部門とするにしても、「方針を示し任せてチェックすること」と「進捗と成果及び課題を正確に報告する」というマネジメントの基本スキルが必要となりますが、その人材が育っていない、そのような人材を輩出できる土壌になっていない会社が多いのが実情です。いわば組織で仕事をまわすことに取り組んでこなかった宿題がでてきたことになります。マネジメントできる人材の差で、さらに企業の差がつくことになることでしょう。
中小企業においても、目標管理を導入している会社が増えましたが、上述のような「マネジメントの基本」に焦点を当てて運用している会社はそれほど多くはないでしょう。目標管理が形骸化している会社は、見直す良い機会かもしれません。
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